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助手席もフルバケの為掴みにくい事この上ないが、なんとしてでも眼前を捉えたい。
ぎりぎりまで身を乗り出し、瞬きの合間に流れていってしまう景色を必死に追いかける。
「中里さん、あんな重い車体振り回して凄い…」
「荷重をうまくかけた走りだな」
涼介さんの運転、しかもツートップの解説付きだなんてミステリなツアーはやけに贅沢品だ。
ケンタくんが地団駄踏みそう、などと思いながら繰り広げられるハイスピードな争いに目を凝らす。
余りにも常識を逸脱していて、本当にこれが現実なのか問いただしたいくらい。
イン側の溝に引っ掛ける、なんてまるでアクション映画だ。生きた心地がしない。
「どんな感覚してるんだろう、ガードレールとの隙間全然ないよ…」
「本気出してきたな。…マジで軽々しくやりやがるぜ」
苦々しい声と、口を閉ざしドライビングに集中し始めた涼介さんを見つめ息をのむ。
普段からの凛とした佇まいのせいで、修正舵を取る姿さえ珍しく感じて車内の空気までもが張り詰められているようだ。
今起こっている事。目の前で流れていく光景。今座っているこの場所さえも。
現実だとのみこむには瞳に飛び込む情報が鋭利すぎる。
続くヘアピンカーブ。何度も外側から抜きに行こうとするハチロクのせいで鼓動は騒ぎ、思考の奥深くで少しずつ自分自身と彼らがはっきり乖離していく。
住んでいる次元が違うリアルさが、私を着々と追い詰めていく様だ。
「ッ…どうやって抜くっつぅんだよ！」
苛立ちを含む声。シートを握り込む手に力がこもる。
「啓介、A。よく見ておけ。…ハチロクが抜きにいくぞｯｯ…！！」
外側にラインを振った一瞬。GT-R特有の車重が、中里さんの腕だけではもう声を聞きとれなくなってしまう。
「ラインが…ｯｯ！？」
ブレーキランプが、突き刺す様に光を放つ。
膨らんだ内側、車体同士が擦れゆくのではと思う程刹那のタイミングで通り抜けていく拓海くんのハチロク。
「ｯｯ…！！」
瞬間、スピンで逃げを作るGT-Rの隣を寸分違わずなハンドリングで抜き去った涼介さん。
逃げてしまいそうになる瞳を必死に堪えるくらいしか、この人たちについていこうと願う心に刻みつけられた現実から反発できなかった。
スピードを緩めた車内。
二人が目指していく、一握りの理想の厳しさが喉を絞め息をつくのもやっとだった。
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» わぁぁ！！こちらもお読み下さり、また数々の嬉しいお言葉ありがとうございます💖推しへの愛をどんどん膨らませていきましょ💕💕 (3月12日 7時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 啓介ぇぇぇぇぇええええ！！！！好きだ…………。最高です。こんな小説読んでしまったらアニメの続き見る時思い出してしまうではないですか！！！最高です。啓介への愛が3倍程に膨らむくらい最高の作品に出会えて良かったです😭ありがとうございました！！！ (3月12日 3時) (レス) @page46 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 彩さん» 彩様こんにちは！こちらこそ、お読み頂きコメントまでありがとうございます、とっても嬉しいです💕啓介くんの溺愛が見たい…！！と思っての執筆だったので、楽しんで頂けて幸せです(*^^*)ありがとうございます💖😊 (12月27日 8時) (レス) @page35 id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - こんにちは。数少ない啓介夢をありがとうございます。真っ直ぐな啓介にドキドキしながら読ませてもらいました。主人公への独占欲も堪りません(〃∇〃) (12月27日 0時) (レス) @page45 id: bd691f240a (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 智真さん» こんにちは！コメントありがとうございます！！そう仰って頂けて本っっ当に嬉しいです💖啓介くんイイ男すぎますよね…！こちらこそお読み頂きご感想まで頂けてとても嬉しく思います、ありがとうございました😊 (2023年1月23日 8時) (レス) id: b66859cee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2022年7月2日 8時
