. ページ4
.
穴場ってどこだよ。
って思いながら素直についてくと、
『ここ！』
マンションから歩いて10分くらい。
歩道沿いに少し間隔をあけて
桜の木が並ぶ。
『外灯がさ、ちょうとライトアップっぽくない？』
ニコニコしながら聞いてくるAに
「たしかに」
としか言えなくて、
だって、俺さっき目黒川にいたんだよ？
でもこんなキラキラ笑うコイツを
ガッカリさせたくなくて、言う。
臣「綺麗だな」
『でしょ？前に広臣の家行くのに迷っちゃってさ。そん時見つけたの。そん時は冬だったから蕾すら無かったけど。』
ー やっぱりこの木、桜だったんだ。
そう言ってAは
『広臣と見れてよかった』って笑う。
臣「今度は本当にライトアップされた桜な。」
『うん！』
しばらく桜の木を眺めてたAに
そろそろ行く？と声をかけると
少し名残惜しそうに
『そうだね』と言った。
『広臣ってさ、桜似合わないね』
臣「は？」
『桜って、もっとこう…直人さんみたいな』
臣「あー…俺は？」
『花って感じしない』
臣「…じゃあAは？何が一番好きなの？」
『んー…特にないけど。』
臣「なんだよ、それ」
ゆっくり、時間が流れて
風も心地よくて、
その風がふわっと
桜の香りを運んでくる。
『いい匂い。』
ふふ、ってAが笑う度に
幸せだな、ってこみ上げる。
.
.
忘れたくない、
忘れられない、
一番温かくて、
穏やかな彼女との
ある春の日だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1022人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねーやん(プロフ) - お久しぶりです(^ー^)大変でしたね( ｡ﾟДﾟ｡)5章も楽しみに待ってます(^ー^) (2017年5月23日 22時) (
レス) id: 17d749540e (このIDを非表示/違反報告)
すまいる - 続きが早く読みたいです。 (2017年5月16日 15時) (レス) id: 9729cafb7d (このIDを非表示/違反報告)
けいちゃん(プロフ) - 臣くん！がんばれー諦めるな！ (2017年5月12日 8時) (レス) id: f3039bc482 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - さのんかさん» さのんかさん⇒ありがとうございます！臣くんおせおせ(笑)私も書きながら思っちゃってますwこれからもよろしくお願いします！ (2017年5月12日 2時) (レス) id: 8c3f511bed (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 藍虹さん» 藍虹さん⇒ありがとうございます！臣くんファンからの隆二押し、すっごい嬉しいです！！私の中の隆二はとことん優しい人なんでこんな感じになっちゃいました(笑) (2017年5月12日 2時) (レス) id: 8c3f511bed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃき | 作成日時：2017年4月10日 16時
