the day 4《 臣隆 》

the day to say bye for now ページ17

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しばし、


さようなら。









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「そうか、ありがとな。」

『はい。』









週明け。

部長へ福岡行き承諾の返事をした。









栞「本当にいいの？」

『うん、一生って訳じゃないし。』









上を目指すことをやめない隆二くんが言った「チャンス」の言葉。

休みの間考えて、悩んで、
その通りだと思った。









栞「もう付き合えばいいのに」









デスクで他の社員がいない隙に
栞が唐突に口にした。









『は？』

栞「今市さん。」

『なにいきなり』

栞「好きじゃん？」

『…うん』

栞「じゃあ、もうその次は決まってるじゃん」









隆二くんとは、そうはならない。

好きだと思う。
彼のことは本当に好きだと思う。
尊敬もしている。


だけど、その先はないんだ。









栞「登坂さん？」

『それもそうだけど。付き合っても私またファンの人達にヤキモチ妬いたり、会えないの辛いとか悩んだり。』









同じことの繰り返しだって
目に見えてるんだもん。









栞「逃げんのやめな、って言ったじゃん」









まっすぐパソコンのディスプレイに目をやったままそう言った栞。









『逃げてるわけじゃないよ』









咄嗟に口をついて出た。
逃げてるのは分かってるのに
ムキになって言ってしまった。







逃げじゃなかったら何、

って聞かれると思ったけど
栞はそれ以上言わなかった。




私が隆二くんと
ここから先に進まないのは
確かに、逃げなのかもしれない。





だけど、

あの頃みたいに傷つくより、
また終わりを経験するより、
自分の嫌いな自分になるより、

ずっとマシだ。





逃げてるんじゃない。


始めないだけ。







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