the day 《 登坂広臣 》

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「え、じゃあこの旅館行きたい！」

臣「え？」

「一緒に行こうよ！」

臣「あー…」









無理。


悪いけど、それはアイツのものなんだよな。




捨てりゃいいんだけど。
てか、捨てらんない俺が悪いんだけど。









臣「そこじゃなくてさ、他のとこ行こうよ」

「えー、うん、いいけど」









美人で優しくて
物分りのいい彼女。



たぶん、こんないい彼女いないと思う。









「ねー、私の誕生日は会えない？」

臣「あ、わり。その日仕事だわ。」

「そっかそっか。」

臣「プレゼント、何がいい？」

「あ、うーん。特にないなー。」

臣「何か、一緒に買いに行く？」

「本当に？いいの？！」









嬉しそうな彼女。

ニコニコして、ありがとうと言う。









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その瞬間だって、
考えるのはAのことで、

思い出すのはAの顔だ。



ずっと、忘れられない大切な思い出。






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