the day 《 登坂広臣 》

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『広臣、これ欲しい！』








ある昼下がり。
パソコンを見ながらそう言うA。









臣「もっと高いやつでもいいよ？」

『いや、充分！これで！』

臣「じゃあ、これな」









通販サイトの 【購入】ボタンを押す。









臣「誕生日プレゼント通販サイトで買うってどうなの？」

『いいじゃん。』

臣「まぁ、Aがいいならいいけどさ。」









Aが誕生日プレゼントに
欲しいと言ったのは
全然高価じゃないおそろいの時計。









『嫌だったら広臣はつけなくていいからね？』









そんなこと言うけど、
付けるに決まってる。

俺の好みじゃないけど。









臣「配達予定日あさってだって」

『じゃあ、受け取っておいてね』

臣「お前の誕生日なのに？」

『だって配達先ココにしたじゃん、』

臣「あー…」








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２日後、届いた時計を持って
Aの家へ。









『わざわざ今日じゃなくてもよかったのに』

臣「会いたかったし」

『でも、誕生日来週なんだけど。』

臣「いーじゃん。」









まぁ、いいけど、
って言いながら渡した箱を開けるA。









『やっぱり、この時計にしてよかった♪』









満足そうに時計をはめた腕を見せてくる。









『広臣、大好きだよ』









柔らかく笑いながら
ありがとう、と

俺に近づいて抱きついてくる。









ふわっと香るAの柔軟剤の匂い。






あー、ずっとこうしてたいな。







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