友人 ページ2
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臣「たぶん、俺の方が謝んなきゃ行けないことになると思う。」
『え?』
臣「でも、今だけだから」
何のことを言ってるのか分からないまま、
臣くんは「あ、わり。後で」と言って
電話を切った。
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清水「あ、ごめんね。オフなのに」
事務所につくと清水さんは
他の社員さんと話をしていて、
私に気付くなり、声を掛けて会議室へ促す。
『私の不注意ですからね…』
清水「いや、Aは異性のファンが圧倒的に多いって訳じゃないし、うちとしてはさ、認めちゃってもいいんだけど…」
向こうがね、と言いながら
清水さんは問題の週刊誌の記事を見せた。
清水「明日発売だって」
『あぁ…』
そこに映るのは紛れもなく私で、
背景は紛れもなくあのマンション。
別写真には同じ背景の臣くん。
清水「1週間張ってたんだと。で、毎日出入りしてるって…記事では。」
『事実ですからね。』
清水「でもまぁ、たまたま同じマンションです、とかって言えるんだけどさ。あとは登坂さんサイドの問題。」
しばらくして、
他のスタッフがやって来て
清水さんに、告げた。
「登坂さん側としては友人の一人、と否定する方向だそうです。」
清水「ていうことだから、うちとしても同じように対応するけどいい?」
『あ、はい』
知らない間にどんどんと話が進み、
私の事なのに、まるで蚊帳の外。
清水「大丈夫?」
『え?』
清水「登坂さんの意志じゃないと思うよ」
仕方がないことも分かるし、
こうする事が一番なのも理解している。
だけど、”友人の一人”という言葉が
頭にずっと残って、離れない。
こうなることが分かってて
臣くんは謝ることになるって言ったのかな。
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kaomi(プロフ) - 面白くて一気に読ませていただきました!これはもう続きはない感じなのでしょうか?もしまだ書いても良いと思っているのでしたら是非お願いします。楽しみに待ってます。 (2018年10月23日 23時) (レス) id: f248c983cc (このIDを非表示/違反報告)
美晴(プロフ) - 本当に面白かったです!表現の仕方が上手でわかりやすくて!初めてちらっと読んでからオールして完結まで読ませていただきました! (2018年1月29日 22時) (レス) id: 9037e21257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃき | 作成日時:2017年4月2日 18時