2 転生してもモブ扱いなので下克上しようと思います【転スラ】

55話　どこが違うのか説明せよ ページ9

――――不運な事故から1週間後。


働かざる者食うべからずというリーマンの町の方針に則り、私は各場所で職場体験を

させてもらっていた。


私にとっては初めての就活。

慎重に選びたいのだが、それ以上に働きたくないので未だに職を決めかねている。


『デスクワークとかないんかな.....』


警備、料理、接待、建築。どれも人と関わり、体を動かす仕事だ。


ここはまだ発展途上だし、前世の科学レベルで物を考えるのは難しいのは分かっている。


学校もないので、前の様に勉強を盾にするわけにもいかない。

凛がついてきてくれるのなら、他の国で冒険者として働くことも考えるのだが。


それも面倒っちゃ面倒だけど、下僕を増やせるからね。


別に疲れもしないし、何なら最近余裕でオールしてるけど、精神的に辛いよ。仕事するって。


近い内に楽出来るんならそっち選びますよ。一般職とか終わりが見えない。


『....それでいて、この町居づらいんよなぁ』


凛に頼まれて買いに行ったパンを、紙袋の中から一つ取り出す。

どうせ渡したら私の分はなくなるので、今のうちに食べようという算段だ。


信じられないことに、ここの魔物は「リムル様の役に立つのが喜び」とか抜かす社畜根性

持ってるからね。


余りに理解不能なことを抜かすもんだから、理由聞いたら「名を授けて下さった」ってさ。


鑑定さんによると、名付けされたら主の魔素使って進化できるらしい。

そして、これだけの数に名付け出来るあのリーマンは異常なんだとか。


そもそも彼中心に回る物語らしいからなぁ、当然なんだよなぁ。


でもそう考えると、全て知っている凛が一番のチートだよなぁ。



《告。強力な魔力反応を複数感知しました。》



そんな風に気を抜いていたからこそ、鑑定さんの警告に私は普段以上に驚いてしまった。

私が今向かっているのは、森なのだ。それも、凛と天災が以前私を連れて特訓した場所である。


魔力反応！？

てことは魔獣か！早速テイムしよう！！


《否。解析した所、種族は獣人族(ライカンスロープ)であると思われます》


惜しいなー、獣人か。


....え？結局は獣だから同じじゃないの？

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