53話 本性が出るまであと何日だろう ページ7
『あ、あと助けてくれてありがとうございます』
ソウエイ「礼はいい。それより、これからどうするつもりだ」
唐突に問われ、一瞬口ごもる。
『これから...？えーと取り敢えず、部屋に戻ろうかなって思ってます』
ソウエイ「....そうか」
相槌を打つも、恩人殿の目線は私には向いていない。
不思議に思い、視線を辿って後ろを向くと、幾度か聞きなれた唸り声が近づいてくるのを感じた。
ソウエイ「動くな」
声の発生源を確認するべく駆け出そうとするが、肩を掴まれて足を止める。
『離してください！今の、私の友達かもしれないんで...』
ソウエイ「何を言っている。あの声が凛のものであるはずがないだろう。」
『いや――』
そうじゃなくて、と否定するより先に、草むらから虎が飛び出す。
『待っ』
怒り狂ったように一目散にこちらへ疾走してくる虎の首を、恩人殿は躊躇いなく切り落とした。
『あ、あー....あーあーあー』
何と言っていいか分からない。
目まぐるしく変わる状況についていけず、思考回路が死滅したようだ。
デジャブ....デジャブだぞこれは.....
虎君....君は何故こっちに向かって来たんや....？
《解。スキル[魔王]の効果でしょう。命令通り、個体名：ソウエイを自身の主から
引き離そうとしたと思われます》
え、そんな命令....
あぁ、「離してください」ってやつか。
確か、[魔王]は規程範囲内ではパッシブスキルとして常時発動してるとか何とか、昨日
鑑定さんが言ってたな。
昨日は何とも思わなかったけど、実際に体験してみると不便かもなー。
一段落付き、今迄触れることを忘れていたある疑問を思い出す。
『そう言えばソーカさんは、今休憩中ですか？』
ソウエイ「少し違うな。だが、お前がそれを知る必要はない」
今度こそ、恩人殿が私と視線を合わせてくれた。
相変わらず塩対応だし、少しと言う言葉に疑問を覚えるが、守ってもらっている以上
文句は言えない。
『そうすか。あの、じゃぁ私帰るんで、このまま見守ってもらっていいですか』
深入りはしてはいけないと判断した私は、遠慮がちに問う。
ちなみに、この問いに意味はなかった。
せいぜい端的な返事が返ってくると思われたのだが、恩人殿は予想の斜め上を言った。
ソウエイ「帰るだけなら送ってやる。仕事が増えるのはごめんだからな」
『それは普通にお願いします』
こういう時だけ淀みなく頼める自分は、割といい性格してると思う。
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ななか - これは誰落ちですか？ (2022年2月9日 23時) (
レス) id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
あ - はぁさん» それは、あなたが第三者と言う視点で見ているからではないですか？とても良いことだと思いますよ (2021年12月18日 23時) (レス) @page42 id: 8387e28010 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - めっちゃ好きだから更新待ってます！ (2021年11月1日 9時) (レス) @page43 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
はぁ - オリ主にも凛にも感情移入ができない。どういう思考回路してるんだと思う。まともな人間じゃない (2021年10月3日 19時) (レス) @page39 id: b4976d2346 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - 続き・・・(ﾁﾗｯ) (2021年9月15日 19時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tacoloss | 作者ホームページ：http://201511ｋｂ
作成日時：2019年8月15日 15時
