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81話 もうやだ ページ35

『――――....おやすみ。』




立派な角の生えた巨体が、なすすべなく膝から崩れ落ちる。


聞けば悪魔は物理攻撃が通じないらしいが、そんなもの私には関係ない。




『....ふぅっ』



短く息を吐く。



蝙蝠戦に続いての完全勝利。


判断基準が変わらなければこれで、これで終わりのはずだ。



「おいおいマジかよ、あの嬢ちゃん!?」

「妖術か何かか!?あのレッサーデーモンを抑えちまうなんて...」



集中すべき相手がいなくなったことで、段々と周囲の音がクリアに聞こえだす。


純粋な賛美は勿論嬉しいが、そう大きな声で言われるとむしろ恥ずかしい。


こちとら別に褒められるようなことしてないからな。

大衆の前で入眠を促しただけだからな。うん。ゴブリンは消したけど。


ふと、あの青年兵士のことが気になって、目を動かせる範囲でその姿を探す。


『...。』


だが、探せば探すほど無遠慮な視線の雨が自分に降りかかっているのを自覚してしまい、
すぐに諦めた。


心を一旦落ち着かせようと、今度は思いっきり息を吸う。


鼻孔に伝わる、空気の冷たさ。


そもそも気温自体がそこまで高くないので微々たるものだが、それでもマスク慣れしている
者にとっては十分心地いい。




『....あの、合格ですか?』




とはいえ、いたたまれなさが消えない私は、視線をジーギスさんの首元位に固定し
今迄と同様の問いかけをする。


多少冷静さが戻ったせいか、急に自信が喪失したのかと疑われる程声が小さくなってしまった




ただ、高確率で先生に「もう一度大きい声で」と言われるその声は、試験官には一発で

通じていたようで(まぁ聞こえなくても粗方察せるだろうが)ジーギスさんはゆっくり

口を開く。



ジーギス「....身のこなしに不安が残るが....倒したのは事実だ。

いいだろう。お前がBランク冒険者の実力を持つと―――――――」


 


「「――――大変だぁっっ!!!」」


 


無理に荒げられた声が、ジーギスさんの宣告を遮る。


必然的に集中する野次馬の視線の先に同じく目をやれば、わかりやすく瞳孔をかっぴらいた
男と目が合った。


男は見るからに焦っていて、更には似たような形相をした男達が後ろから続々と試験場に
集まってきている。



...何でいつもこうなんの?



ジーギス「...何があった」


「その、蝙蝠共が...ジャイアントバットの大群が、空を覆ってるんです!!」




堪らず眉をひそめたのは、きっと私だけじゃない。

82話 あんま多いとね→←80話 見る人はちゃんと見てくれるんよ



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ななか - これは誰落ちですか? (2022年2月9日 23時) (レス) id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
- はぁさん» それは、あなたが第三者と言う視点で見ているからではないですか?とても良いことだと思いますよ (2021年12月18日 23時) (レス) @page42 id: 8387e28010 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - めっちゃ好きだから更新待ってます! (2021年11月1日 9時) (レス) @page43 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
はぁ - オリ主にも凛にも感情移入ができない。どういう思考回路してるんだと思う。まともな人間じゃない (2021年10月3日 19時) (レス) @page39 id: b4976d2346 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - 続き・・・(チラッ) (2021年9月15日 19時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tacoloss | 作者ホームページ:http://201511kb  
作成日時:2019年8月15日 15時

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