80話 見る人はちゃんと見てくれるんよ ページ34
兵士side
危機が迫っても、Aは剣を使おうとしない。
恐らくスキルの効果だと思うが、先程のように命令しないのは何か計算外のことが
あったからか。
「まずいかもな....」
いざという時には、割り込みも許されている。
奥の手がないとも言い切れないが、余裕のない表情と言い、素人としか言いようのない
身のこなしと言い、あまり戦闘面では期待できなさそうだ。
周りがざわざわと騒ぎ出す中、魔法で横槍を入れる準備をする。
その時だった。
『さっさと消えろ。』
放たれた言葉に、誰もが背筋を凍らせる。
先の命令とは、比べ物にならない程に込められた殺意。
うんざりしたような声色。
もしかしたら、聞こえなかっただけで命令はしていたのかもしれない。
いい加減嫌気がさした、そう思える程の変貌ぶりだった。
案の定、威圧感に晒されたダークゴブリンは微動だにせず固まり、
信じられないことに黒い煙を上げながら消えていく。
俺にとってトラウマになりそうな光景だ。
徐々にその姿を黒煙に変え、空へと消えていくダークゴブリン。
周りの冒険者共は情けなくも呆けた顔で彼女を見ている。
『っしゃ勝った.....次お願いします！』
完全に消滅したのを確認すると、殺気も共に掻き消え、
喜色満面にガッツポーズをとる彼女。
女の怖さを垣間見た気がした。
対するジーギスは複雑な顔をしている。
普段ならそろそろ屈辱で震えだす所だが。
本人には驕りも余裕もなく全力で喜んでいるから、怒りづらいのかもな。
ジーギス「やるな。だが、随分とてこずってたようじゃないか。
次は集団戦になるが、そろそろ白旗を上げてもいいんだぞ？」
前言撤回だ。あのオッサン、大人げない事しようとしてやがる。
「！」
予感は的中した。
呼び出されたのは三体の
普通、一人で倒すもんじゃない。まぁ、俺なら一人でもやれるけど。
『あ、全然大丈夫っす。その程度なら』
悪意はないだろう素の煽りがジーギスを襲う。
思わず噴き出した俺は悪くない。例えジーギスに睨まれようと悪くない。
『えっと、もう始めてもらってオッケーですよ』
ジーギスの沈黙を合図待ちとでも思ったのか、Aは軽く頭を下げる。
ジーギスも薄々勝敗がどうなるかわかったのか、苦虫を嚙み潰したような顔で指示を送った。
―――――嬉しいことに、賭けは完全に俺の負けになりそうだ。
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ななか - これは誰落ちですか？ (2022年2月9日 23時) (
レス) id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
あ - はぁさん» それは、あなたが第三者と言う視点で見ているからではないですか？とても良いことだと思いますよ (2021年12月18日 23時) (レス) @page42 id: 8387e28010 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - めっちゃ好きだから更新待ってます！ (2021年11月1日 9時) (レス) @page43 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
はぁ - オリ主にも凛にも感情移入ができない。どういう思考回路してるんだと思う。まともな人間じゃない (2021年10月3日 19時) (レス) @page39 id: b4976d2346 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - 続き・・・(ﾁﾗｯ) (2021年9月15日 19時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tacoloss | 作者ホームページ：http://201511ｋｂ
作成日時：2019年8月15日 15時
