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77話 やっと活かせる ページ31

黙ってついて歩いているうちに、開けた場所に出た。

中央にはどでかい円形の魔法陣。多分、あの中で戦うんだろう。


ふと、あの青年兵士はどうしたんだろうと思い、後ろを振り返ってみる。


『うわっ.....』


不快感が声色に滲み出てしまった。私は悪くない。


ジーギス「さっさと来い」

『はい』


試験はどうやら、見学可能らしい。

好奇心か知らないが、ゾロゾロと暇を持て余した組合員や冒険者が後ろについて来ていた。


兵士も、恐らくついて来てると思うけど....振り返る気にはならない。後で探そう。


ジーギス「一応は安全対策の結界が貼ってあるが、死んでも文句がないなら

中に入れ」


円形の方陣の中に入ったジーギスさんが、地面を指さして言う。


『えっと、その中で戦うんですか?』


ジーギス「そうだ。これは外に被害を出さないためのもの。受験者であるお前は

この魔法陣から一歩でも出たら失格になる。準備が出来たら合図しろ。」


入ったら速攻で始まんのか。

手に持っていた剣をおぼつかない仕草で抜き、邪魔になった鞘を渡そうと辺りを見る。


「地面に置いといていいよ」


何処かは知らないが、兵士の声が聞こえたので、言われた通りに置いた。


『はぁ......まじか』


緊張する。


剣が振れるとは思えない。

ましてや大勢の前なんて、どんなヘマを仕出かすか。


周囲から声援が聞こえても、そんなもの余計なプレッシャーにしかならない。

でも、やるしかない。ここまで来てNOが言える人間じゃない。


覚悟を決め、中に踏み入る。


大丈夫、能力に頼れば、きっと余裕だから。私は出来る子だから.....


 

『お願いします!』

 


授業初めの挨拶をする気分で、頭を下げる。

横から「礼儀正しい子だな」とか何とか聞こえたが、試験なんだから当然だろう。



ジーギス「よし。ではこれより、Eランクの試験を開始する。目の前の敵を倒せ!

いでよ――――狩猟犬(ハウンドドッグ)!」



本当にただの挨拶だったのに、合図ととられたらしい。

内心「嘘やん待ってよ」と叫んだが、召喚魔法を止めてくれるはずもなく。


顕在化したのは、獰猛そうなドーベルマン。

虎ほど怖くないが、動き出されたら終わりだと直感で分かった。



『――――お座りっ!』



やや早口で命令する。


するとどうだろう、ドーベルマンは蹴り出された前足は動きをその動きを一瞬止め、

急ブレーキでもかかる様に減速しながら、私の前でおすわりをした。

78話 勝ち確だと思った??→←76話 自己紹介文ってムズない?



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ななか - これは誰落ちですか? (2022年2月9日 23時) (レス) id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
- はぁさん» それは、あなたが第三者と言う視点で見ているからではないですか?とても良いことだと思いますよ (2021年12月18日 23時) (レス) @page42 id: 8387e28010 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - めっちゃ好きだから更新待ってます! (2021年11月1日 9時) (レス) @page43 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
はぁ - オリ主にも凛にも感情移入ができない。どういう思考回路してるんだと思う。まともな人間じゃない (2021年10月3日 19時) (レス) @page39 id: b4976d2346 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - 続き・・・(チラッ) (2021年9月15日 19時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tacoloss | 作者ホームページ:http://201511kb  
作成日時:2019年8月15日 15時

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