76話 自己紹介文ってムズない? ページ30
組合への参加や脱退は一般受付でするらしい。
列に並んで順番が来るまで、青年兵士から冒険者の説明を受けた。
話によると、専門受付は冒険者のみが利用できて、買取受付は文字通りって感じかな。
で、重要な実地試験だが、隣の棟でE〜D、D〜Cと続いてBランクまで飛び級で
進級試験を受けられる。
だが不合格なら、合格したランクの手前のランクからスタートし、点数を稼いでからしか
再取得の機会は得られないらしい。
最低でもD+ランク以上ないと駄目みたいなので、どうしても急ぐなら、
Cランクの試験は合格する必要があると。
めんどくさい話である。こちとら剣の振るい方も分からないというのに。
....こんなことなら、見てないでちょっとくらい体験しておくべきだったな。
とはいえ、その後悔も後の祭り。
次々と吹き出す手汗を拭っているうちに、前に並んでいる人は段々と減っていき、
ついに自分達の番が来てしまった。
「あら、ナナシさん、珍しいですね。本日は何用で?」
「久しぶり。この子の冒険者登録を頼むよ、討伐部門で。」
会話を聞いているに、受付嬢と兵士は知り合いらしい。
にしても青年兵士、ナナシって言うのか。ちょっと言いにくいな。
「畏まりました。それでは、こちらに記入をお願いします。」
差し出された用紙に、まず兵士が私の名前を書き込む。
[実況者]の字幕変換のおかげで私の目には字の上に日本語が書かれているように
見えるのだが、その字が小さくて毎回読むのに少しの時間を要すので、そろそろ
設定を変えれないかどうか試すべきかもしれない。
「この中で、答えられるやつある?わかる範囲でいいんだけど」
手元を覗き込む私に対して、兵士が問う。
用紙には住所やら特技やら、色んな項目が書かれていた。
年齢は14、特技は、魔物を懐柔することとだけ記入してもらった。
特技には流石に疑いの目を向けられたが、嘘はついていない....
と思う。
「確認致ししました。それでは、試験を許可します。」
最後に、警告と最終確認を受け、控えめに頷く。
私が了承したのを確認すると、受付嬢さんは席を立ち、奥に入っていってしまった。
少し時間を置いて、一人の男が現れる。
モジャモジャ頭に、無精髭を生やした義足のオッサン。
冒険者と言われて想像するキラキラした雰囲気はない。が、不潔かと聞かれると首を
傾げるような容姿だった。
「試験官のジーギスだ。試験を受けるならついてこい」
『あ、はい』
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ななか - これは誰落ちですか? (2022年2月9日 23時) (レス) id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
あ - はぁさん» それは、あなたが第三者と言う視点で見ているからではないですか?とても良いことだと思いますよ (2021年12月18日 23時) (レス) @page42 id: 8387e28010 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - めっちゃ好きだから更新待ってます! (2021年11月1日 9時) (レス) @page43 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
はぁ - オリ主にも凛にも感情移入ができない。どういう思考回路してるんだと思う。まともな人間じゃない (2021年10月3日 19時) (レス) @page39 id: b4976d2346 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - 続き・・・(チラッ) (2021年9月15日 19時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tacoloss | 作者ホームページ:http://201511kb
作成日時:2019年8月15日 15時