70話 嘘も方便と言いますが ページ24
「それじゃぁ、君はどうしてブレードタイガーの背中にいたの？」
『それは.....』
誰でも容易に想像がつく、想定内の質問だ。
だが、実際に聞かれると言葉に詰まってしまうもの。
それまで考えていた設定が半分吹き飛び、残ったものだけで何とか言葉を生み出す。
『私、冒険者になりたかったんです。今迄住んでた場所を出て。
それでとりあえず人里を見つけようと森を彷徨っていたら...運悪くあの虎に出会って.....』
「....倒そうと奮闘したわけかい？」
冷静に聞くと危機感が欠如した馬鹿な女の話だが、話を建設的に進めてくれる当たり、
兵士は真剣に聞いてくれているようだ。
少し安心した私は、持ち前の妄想力を働かせて話を続ける。
『....はい、まぁ。上を取ったまでは良かったんですが、虎が暴れまわって.....。
落ちたら死ぬと思って、ずっとしがみついてたんです。』
絶対に無駄であろう感想を述べることで、真実味を持たせてみた。
話慣れてないせいで凄く弱弱しい声になってしまったが、そこは仕方ない。
「ふむ、成程....」
向かいの兵士が、奥の兵士に目配せする。
納得したようなことを言っていたが、まだ油断はできない。
『あ、あの』
「ん？」
こういう時は、受け身の姿勢では駄目だ。多分。
余計な事を聞かれる前に、話題を逸らさないと。
『身分証明書って、どうやってとるんですか？』
「身分証？手っ取り早いのは
自由組合か....入りたいのは山々なんだけど、それって結構時間かかるのかな。
鑑定さんの解析が終わったら素材集めて加工しないといけないから、
あまり長くはいられないんだけど。
身分証明書がないとまず国には入れないだろうし、今日の所は諦めて帰るか。
*
兵士side
先輩に質問をした後、女は考え込むように黙りこくってしまった。
「先輩。」
ここぞとばかりに呼び掛ける。
それなりに長い付き合いの先輩は、その一言で大体察してくれる。
「あぁ.....嬢ちゃんは、ここで待っといてくれ」
『あ、はい』
不安げな表情から目を逸らし、取調室を後にする。
ワンテンポ遅れ、先輩があとに続いてきた。
外の会話が女の耳に届かない様、廊下を十分な距離歩いてから立ち止まる。
「....先輩、どうします？あのお嬢さん」
71話 まさか丸々一話使うとは→←69話 別に捨て駒とかじゃないんだ
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ななか - これは誰落ちですか？ (2022年2月9日 23時) (
レス) id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
あ - はぁさん» それは、あなたが第三者と言う視点で見ているからではないですか？とても良いことだと思いますよ (2021年12月18日 23時) (レス) @page42 id: 8387e28010 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - めっちゃ好きだから更新待ってます！ (2021年11月1日 9時) (レス) @page43 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
はぁ - オリ主にも凛にも感情移入ができない。どういう思考回路してるんだと思う。まともな人間じゃない (2021年10月3日 19時) (レス) @page39 id: b4976d2346 (このIDを非表示/違反報告)
ハック - 続き・・・(ﾁﾗｯ) (2021年9月15日 19時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tacoloss | 作者ホームページ：http://201511ｋｂ
作成日時：2019年8月15日 15時
