ぬくもり ページ4
時刻は夕方の5時をまわっていた。
季節が夏なこともあって、まだ昼間なんじゃないかってくらいに外は明るい。
どうやら花子くんは自転車通学らしく、黒色の自転車のカゴに私の荷物も乗せて隣を歩いている。
しかも私の歩く速さに合わせて、ゆっくりと歩幅を合わせてくれていた。
(こっちの花子くんって妙に紳士的なのよね…)
さりげない気遣いが嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。
でも、こうしちゃいられない。
今は目の前の花子くんの謎を解かないと…
『ね、ねえ花子くん?』
普「普だけど…何?」
『その…本当に普くんは、花子くんじゃないの?』
花子くんは、困ったように笑う。
普「俺は本当に柚木普だよ。触ってみる?」
そう言ってぴたっと立ち止まる。
自転車のハンドルを持って支えながら、触ってこいと言わんばかりに右手を広げる花子くん。
たぶん本当に、嘘はついていないんだと思う。
『……………』
黙って抱きついてみた。
普「……!!えっ、ちょ!Aさん!?何!?どーしたの!?」
自分から触らせてきたくせに、花子くんは心から恥ずかしそうに驚いていた。
そして。
(温かい…ちゃんと体温があるんだ…)
私は花子くんに触れている場所から伝わる熱を体に感じていた。
熱があるということは、すなわち生きているということだ。
本当に信じ難いけど、少なくとも今目の前にいる花子くんは生きている。
花子くんに抱きついたままそんなことを考えていたそのとき。
普「あの、Aさん…」
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かの子(プロフ) - エアさん» 好きと言ってもらえて嬉しいです!続編ページだけ作ったので気が向いたらお越しください…笑 (2020年3月14日 23時) (レス) id: 67da33eda0 (このIDを非表示/違反報告)
エア(プロフ) - 更新ありがとうございます。普くんend好きです!つかさくんend続ききなります!余裕がありましたら是非続編をお願いします! (2020年3月14日 21時) (レス) id: 8a2351a5fa (このIDを非表示/違反報告)
かの子(プロフ) - れいさん» 全力待機!笑 私も頑張って作りますね!! (2020年3月13日 15時) (レス) id: 67da33eda0 (このIDを非表示/違反報告)
れい - かの子さん» まままままままさかあまねくんedもつかさくんedも両方読めるなんて!ありがとうございます!更新を全力待機しております! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 2204e3e34a (このIDを非表示/違反報告)
かの子(プロフ) - れいさん» なんとも嬉しいお言葉です。いつもありがとうございます!うーん悩み所ですよね…私もなんとか頑張ろうと思います!ご意見感謝です! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 67da33eda0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かの子 | 作成日時:2020年3月2日 15時