fictionｰ虚構の世界ｰ

お揃い ページ18

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(ついに…この日が来てしまった…)






つかさくんと色々あった事件が2日前の金曜日。
そして今日は日曜日。






普くんとデートする日だ。






(ああああ〜！！緊張する〜！！！)






2日前からずっと選んでいるのに服が全然決まらない…
刻々と迫ってくるデートへの緊張で頭が爆発しそうになっていた。






早く行きたいような、行きたくないような。
不思議な胸の矛盾と延々戦っている。






(でも…1番びっくりなのは映画なのよ…)






そう！今日観る映画のタイトルは｢ハムスター宇宙大戦争｣。
私が好きなハムスター。






純粋に映画も楽しみなのだ。






(やっぱり早く行きたいかも)






そうして着々と準備している内に、また緊張が降り積もってくる。






(ああもう……行っちゃおう！早めに行って心を落ち着かせて余裕で普くんを迎えるのよ私！)






まだ家を出るには早いけど、じっとしていられなくて、私は家を出ることにした。



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待ち合わせは家から歩いて20分程の所にある最寄り駅。
駅前の大きな時計の下。






(あ…)






遠くから見ても分かるシルエット。






好きな人はすぐ見つけられるというのは本当だと思う。






まだ時間には早いのに…
私より先に着いているという事は、かなり待っていてくれるつもりだったのでは…？






なんだか申し訳なくなって、私は時計の下まで走り出す。






『普くん！』






私がこっちに向かっていると分かると、普くんは満面の笑みで私の名を呼ぶ。






普｢お、Aさん！早かったねぇ！｣



『いや普くん…まだ時間には早すぎない？私が時間ぴったりに来てたら、もっと待つことになってたよ…？』



普｢いいんだよ！俺は待つのには慣れてるし、それに…｣



『それに？』






普くんは少し顔を赤らめて言った。






普｢緊張して家でじっとしてられなかったんだもん｣






こんな事を平然と言うものだから、嬉しくて。






『えー？なにそれー！』






変なのー！と照れ隠しも込めて笑ったけれど、私も同じだって事は黙っておく事にした。

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