恐怖 ページ14
花子くんは、優しい。
(最初は、生きてる花子くんなんて絶対おかしいって、そう決めつけてたけど)
おかしいのは自分なのかもしれない。
本当に花子くんは生きていて、私はずっと花子くんが幽霊になっている夢を見ていたのかもしれない。
だって。
普くんが 嘘つくわけ ないもんね
カツカツと黒板に数式を書く音が教室に響く。
解答の下に線を引き、全て書き終えた私は席へと戻る。
(後で返事しなきゃなぁ…緊張する…)
返事をするだけでこんなに緊張するのだから、誘ってくれた側はもっと緊張したに違いない。
席に座る直前、一瞬普くんの方を見ると目が合った。
普くんは、笑っていた。
・
待ちに待った放課後。
ぞろぞろと生徒が動き出す中で、私は席に座ったまま、普くんを待っていた。
実は事前に一緒に帰る約束をしていたのだが…
どうやら先生に呼び出されたらしく、教室で待っていてくれとの事で、こうしてぼーっと過ごしている。
(普くん遅いなぁ)
少し眠たくなってきて、机に伏せて目を瞑る。
内容は知らないけど、かなり長引いているようで、もう10分以上は経っている。
職員室まで行ってみようかなぁ、なんて、うとうとしながら考えていた時。
ずしっ、と背中に何かがのしかかる感触。
物というよりは、人が乗ってきたような重みと温かさが背中に伝わってくる。
(えっ…誰だろう)
驚いて顔を上げた途端だった。
首に腕を回され、ものすごい力で抱きしめられる。
まるで、首を絞めるかのように。
『…っ!痛い…』
ギリギリと絞め付ける力は強くなっていく。
強くなる力と対称に私の呼吸はどんどん浅くなっていく。
気管を締めつけられてうまく呼吸ができない。
私が苦しむ様子を楽しむように、その人は耳元で囁いた。
「楽しそうだネ」
そう言われた瞬間、ゾワゾワと全身に恐怖が駆け巡る。
全身の毛が逆立つような、そんな感覚を覚えた。
怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い。
普くんと瓜二つの声なのに、その温度がまるで違う。
一切の悪意がない、純粋な好奇心の塊。
(こんな事してくる人なんて、1人しかいない…)
『つかさ………くん…』
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かの子(プロフ) - エアさん» 好きと言ってもらえて嬉しいです!続編ページだけ作ったので気が向いたらお越しください…笑 (2020年3月14日 23時) (レス) id: 67da33eda0 (このIDを非表示/違反報告)
エア(プロフ) - 更新ありがとうございます。普くんend好きです!つかさくんend続ききなります!余裕がありましたら是非続編をお願いします! (2020年3月14日 21時) (レス) id: 8a2351a5fa (このIDを非表示/違反報告)
かの子(プロフ) - れいさん» 全力待機!笑 私も頑張って作りますね!! (2020年3月13日 15時) (レス) id: 67da33eda0 (このIDを非表示/違反報告)
れい - かの子さん» まままままままさかあまねくんedもつかさくんedも両方読めるなんて!ありがとうございます!更新を全力待機しております! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 2204e3e34a (このIDを非表示/違反報告)
かの子(プロフ) - れいさん» なんとも嬉しいお言葉です。いつもありがとうございます!うーん悩み所ですよね…私もなんとか頑張ろうと思います!ご意見感謝です! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 67da33eda0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かの子 | 作成日時:2020年3月2日 15時