大人になりたい。 (tk×in) (ページ9)

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あれから一緒に最寄り駅で降りて、お礼をしたいということを伝えると、「じゃあそこのカフェでお話ししよう」と言われた。

駅から徒歩3分くらいの、オシャレなカフェ。
こんなとこあったんだ…。初めて来た。
どうやら髙木さんのお友達がここでバイトをしているらしい。

俺は紅茶、髙木さんはコーヒーを頼んだ。
わー…、やっぱり大人だな。俺コーヒー飲めないんだよ…。

「雄也！いらっしゃい。」

「おお山田。がんばってるな～。」

しばらくすると、髙木さんのお友達が紅茶とコーヒーを運んできてくれた。
うわぁ、イケメン…。やっぱりイケメンの友達はイケメンなのかな？

なんか見たことある気がするけど…まあ気のせいかな。

お互い頼んだものを飲みながらお話ししていると、髙木さんがふと思いついたように言った。

「伊野尾くんさ、髙木さんって距離感じるから、雄也でいいよ。」

「え！いやいやダメですよ！髙木さんの方が年上ですし…。」

「えー、寂しもん。あと敬語じゃなくていいよ？」

無理だと断ったけど、どうしてもと譲ってくれない。

「伊野尾くんが言ってたお礼、それでいいから。ね、お願い。」

「わ、わかった…。ゆ、ゆうやくん……。」

さすがに呼び捨ては無理だから、そう呼ぶとすごく嬉しそうに笑ってくれた。

「ても！それだけじゃお礼にならないのでお会計は俺がするので！」

「敬語になってるよ～」

「あ、俺が払うから…！」

まだまだ名前呼びと敬語なしは慣れないけど、頑張っていくことにした。

ちょっと近づけた気がして、嬉しいかも…。