大人になりたい。 (tk×in) (ページ6)

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気になるページ6

家に帰って、お風呂に入って、夕御飯を食べて、机に向かう。
もう今日はいろいろあって疲れたから、予習と宿題だけして寝ちゃおう。

布団に入ってからも頭に浮かぶのは髙木さんのこと。

ほんとにピンチで、どうしようもなくて…。絶体絶命だ、ってときに現れたヒーローみたいな人。

また会いたいな…。お礼もちゃんとしたい。
電車に乗ってたらいつか会えるかな？

次の日の朝電車にのったときに、ちょっときょろきょろ探してみたけど、髙木さんはいなかった。

そりゃそうだよね、車両もたくさんあるし、それにこの時間の電車じゃない可能性の方が高いよね…。
わかってはいたけどちょっと期待していた分、軽く落ち込んだ。

「いのちゃーん！おはよ！」

「大ちゃんおはよー」

学校に着くと、大ちゃんが俺の方に来てくれた。
朝が弱くて遅刻が多い大ちゃんだけど、大会前の朝練があるから最近は俺より早い。

「あれ？なんかいのちゃん元気ない？」

「え？！そんなことないよ？」

「ほんと？なんかあったんじゃない？」

うそ、朝髙木さんに会えなくてちょっと落ち込んでたけど、そんなにわかりやすかったかな？

大ちゃんが心配そうに見てくるから、「たいしたことないけど昼休みに話すね」と言ったら嬉しそうにうなずいてくれた。