レモンサワー[2] (ページ8)

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58ー中村sideーページ8

ちゃかと仲良さそうにしてる時から気分は良くなかった。

手なんか握っちゃったのは、気持ち抑えられなかったから。

って言葉が1番合うかもしれない。

ねぇ、って呼び止められたとき。

なにを言われるのか怖かった。

軽蔑？嫌われた？

悪い考えばっかり頭に浮かんだ。

１週間くらい経って、変な罪悪感と忙しさからまともにLINEも返せなくて。

さすがに堪えきれずにAちゃんの家に向かった。

インターホン押しても反応はなくて、

バイトならもう少しで帰ってくるかなと思ってエントランスの前で待っていた。

「中村さん...？」

なんて言い訳しようか、なかったことにしていつも通りにしようか、どうしようか考えていたら名前を呼ばれた。

Aちゃんはいつもみたいには笑わなかった。

黙って鞄の中の鍵を探しているAちゃん。

海人「話したいことある」

鞄から俺の方に目線が移った。

何秒も経ったように感じた。

「私も、聞きたいことある」

いつもの落ち着いた声に少し怒りの色を混ぜたような声だった。