レモンサワー[2] (ページ6)

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しらっと隣に戻ってみたけど、またブランケットかけてくれただけだった。

映画のエンドロールが流れて、松倉さんだけ泣いていた。

ピュア...。

川島「海人に悪いしそろそろ帰ろっか」

宮近「だな」

ぞろぞろと立ち上がって缶やらビンやらを片付け始める。

立ち上がった時に中村さんと目が合ったけどすぐにそらされた。

机の上のコップを持ってキッチンに行き流しで洗っていると元太くんが隣に並んだ。

元太「泡流す」

「ありがとう」

スポンジで洗ったものを元太くんに渡す。

元太「あの、さ、」

「ん？」

狭いながしに2人で立ってるせいで、元太くんの方を向いたら思ったよりも近くに顔があった。

慌てて手元に目線を戻す。

元太「6月1日ってなんか予定ある？」

「6月1日？今のところないかな」

元太「ほんと？じゃあ、夕方からでもいいから空けといて欲しい」

「うん？」

日付まで指定されて、しかもかなり先の日。

なんだろう。

全く見当もつかないけど、とりあえず頷いてしまった。

海人「洗い物俺やるからいいのに」

キッチンにひょっこり顔を出した中村さん。

ふとリビングの方を見ると、ほかのメンバーさんたちは玄関に移動していた。

「でも、申し訳ないし洗い物くらいやるよ」

海人「夜遅いしもう帰りな、元太もありがとう」

玄関で見送られてドアが閉まるまで、中村さんは終始元太くんの方を見ていて目は合わなかった。

エレベーターに乗り込む。

手を握られた後からなぜかそっけなくなった。

なんでか考えても知る由もない。

元太「Aちゃん、聞いてる？」

「え？あ、ごめん、なんだっけ」

他のメンバーさんはもう帰っちゃったらしく、エレベーターには元太くんと2人きり。

元太「突然呼び出しちゃってごめんって言ったのに全然聞いてなかったでしょ」

「ごめん、ぼーっとしちゃって」

元太「飲みすぎた？大丈夫？」

「ううん、違うの、大丈夫」

元太「ほんとに？」

うん、って頷くと、元太くんはよかったって笑った。

目にかかるまで伸びた髪をかぎあげる姿はかっこいいのに、笑った顔は可愛くて。

これが世にいうギャップか。

元太くんと分かれて自分の部屋に戻ると、中村さんから電話がかかってきた。

"中村海人"って文字にドキッとする。