53ー中村sideー ページ3
「待って、大丈夫私？変じゃない？」
玄関の扉に手をかけた俺を止めてそう聞いてきた。
身だしなみのことを聞いてるんだと思うけど、メンバーに見せたくないくらいかわいい。
大丈夫だよって返してからドアを開けると、玄関先に宮近がいた。
宮近「あ、お久しぶり」
ちゃかも人見知りなんだよな。
「あ、前にお会いしましたよね」
堅苦しい敬語でぺこぺこし合ってる2人。
俺はそんな2人を横目にリビングに向かった。
リビングに入ってきた俺を見てぱっと目を輝かせたのはしめ。
しめ「来たの！？Aちゃん」
海人「いるよ、玄関に」
どたばたと玄関に向かう俺と元太以外のメンバーたち。
元太「なんか恥ずいな」
元太とリビングでみんなの帰りを待つ。
しばらくして足音がしてリビングに人が戻ってきた。
メンバーと、なぜかAちゃんまで。
挨拶だけしたら帰るからって、玄関先にいたのに。
まんまと流されて来ちゃったみたいで、
なんとも言えない笑顔を貼り付けている。
川島「Aちゃんも座って〜」
お酒回ってテレビでは見れないような状態ののえるくんに促されて、ちゃかとのえるくんの間、俺の正面に座ったAちゃん。
─────────────────
元太 中村 松倉
吉澤│──テーブル──│七五三掛
川島 A 宮近
─────────────────
目が合って口パクで、ごめんね、って謝ると
なにか言いたげに口を開いていたが、しめの一言で遮られた。
しめ「Aちゃん、これ飲む？」
しめが持ってるのはハイボール。
あー、って言ってるうちに注がれてるし。
閑也は元太のことをちらちら見てる。
当の元太は、優しい顔をしてAちゃんのことを見ていた。
しめ「いくつなのー？」
「20で、今年21になります」
宮近「へぇ、元太と海人とはどこで知り合ったの？」
「共通の友達がいて、お店でたまたま」
松倉「すげえ偶然じゃん、あ、俺らのこと知ってたの？」
「申し訳ないんですけどその時は全く知らなくて」
閑也「今は？」
「最近Youtube見て勉強してます」
海人「え、初めて聞いたんだけどそれ」
「あれ、言ってなかったっけ」
海人「聞いてない聞いてない」
元太「俺も初耳」
あれだけ人見知りだとか言いながら、質問攻めにあってもそんな素振り見せずに楽しそうに答えてる。
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作者名：guminchu | 作成日時：2021年3月6日 1時
