52ー中村sideー ページ2
メンバー7人で宅飲みしてたら、元太の好きな子の話になった。
俺の好きな子でもあるんだけどなぁ、って思いながら話聞いてたら
宮近が俺のマンションのお向かいに住んでるとか口滑らせたから
呼んでみようよって流れになっちゃったわけ。
絶対Aちゃんこういうの嫌がる。
ダメ元で電話してみたけど。
「なんか嫌だ」
家来てって言ったら怪しまれて、電話の奥が騒がしいのから察したのか予想通りの答えが返ってきた。
海人「だよね、ちゃんと説明すると」
「うん」
海人「メンバーみんなで飲んでたんだけど、Aちゃんの話になって、したら会ってみたいってうるさくて」
「なんで私の話になるの」
海人「それは、まあいろいろ」
「...」
返ってこない返事。
悪い意味だと思ってたら嫌だな。
海人「まだ外？」
「うん、もうすぐ前の道」
海人「おっけー」
電話を切って、ちょっと出てくるってメンバーに断ってから部屋を出た。
マンションの前の道に出ると、スマホを片手に歩いてる姿を見つけた。
俺には気づいてないみたいだ。
海人「わっ」
そっと近づいて脅かすと、ビクッとしてスマホを落としそうになったAちゃん。
「びっくりしたぁ、」
海人「おかえり」
「ただいま？」
疑問形で返ってきた。
海人「さっきの電話、悪い意味じゃなくてみんな会ってみたいって言ってるんだけど」
よくわからない、って顔をした。
海人「顔見せるだけでもいいんだけど、無理？」
変わらない表情。
海人「無理だよね...」
「いいよ」
少し考えてからAちゃんは了承したくれた。
「中村さんのお友達だし悪い人じゃないのはわかるもん。元太くんとも仲良くさせてもらってるから挨拶くらいしないとだよね」
自分に言い聞かせてるみたいな言い方だし、どことなく不安そうな顔。
海人「無理なら全然いいから」
「ううん、でも、緊張する」
胸のあたりに手を当てて、どうしよって。
「私人見知りなんだよね」
俺の部屋に向かうエレベーターでぼそっと呟いたAちゃん。
海人「知ってる」
「え！」
海人「いや、俺と初めてあった時も人見知りそうだったけど？」
「嘘でしょ、上手くやれてる思ってたのに」
海人「途中から人見知りかなって思ってた笑」
「なんか悔しい」
海人「ははっ笑 緊張しなくて大丈夫だから」
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作者名：guminchu | 作成日時：2021年3月6日 1時
