透明な虹 sho.s&Satoshi.o (ページ1)

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智side

筆が走る音しか聴こえない

真っ白な部屋

真っ白なキャンバスに

真っ白な絵の具で

目には見えないなにかを描く

それは『透明な虹』

たまに、空を描いてみようとするが

どうしても、君を思い出してしまって

青い絵の具が付いた筆だけが

虚しく

空に

滲んでいく

必要最低限の

食料

衣類

家具

お金。

いつ無くなるかわからないから
無駄に持ってる

白い絵の具

筆

スケッチブック。

時間もわからない

今日の日付もわからない

服なんていつから着替えてないっけ

飯は一日一食で十分

家具なんてライトさえあればいい

そんな昔のおいらに逆戻りしたおいらを君はどう思うだろう。

真っ白な部屋の隅に

乱雑に置いた

君との想い出

消したくても消えない君

今頃、君はどうしてるだろうか

幸せになっているだろうか

おいらがあげた絵はどうなっているだろうか

貴方の幸せを願っているはずなのに

『透明な虹』

なんて存在しないのに

『翼を失ったおいらは

永遠に天界へ戻れない

だから

天界で生きる

翼をもつ翔くんと共に

永久に二人で迷路に彷徨えば

いつか翔くんも漆黒の闇に堕ちていく。』

そんな

汚い

穢れた

考えでさえも

おいらは美しく思えるようになってきてしまった。

漆黒の闇に葬られたおいらの幻想は

貴方の瞳にどう映るだろうか。

ねぇ、

翔くん、

おいら

貴方と幸せになりたかった

．