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「おまたせ!」

支度を終え、家の外に出ると少し緊張気味に運転席に座る海斗の姿。

「お迎え来てくれてありがと」

倉「おう、てか今日の恰好めっちゃ可愛い…」

「ん?」

倉「いっ、一回しか言わねぇから」


ついもう一回聞きたくなってしまったほど、

海斗に褒められるのが素直に嬉しかった。

そう思いながら海斗を見つめると、海斗は顔を赤らめて目線をそらした。




行き先は明かされず、着いたのはずっと二人で行きたがっていた鎌倉。


俺の地元だからいつかAに案内したくてさ〜

なんて少年のようにキラキラした目で話す。



小町通りを散策し食べ歩き、海辺を二人で並んで歩く。



「なんか今日食べてばっかりだね、私たち」

倉「Aまた太っちゃうね」

「海斗のせいにするから大丈夫」

倉「おいなんでだよ!」



少し切ない表情をしたように見えたのは気のせいだろうか。

せっかくの楽しい空気を壊さないように別の話をしようとしたとき、

歩いていた足を止めて、話し始めたのは海斗だった。

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作者名:chimachu | 作成日時:2021年6月25日 17時

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