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海斗と出かける前日の金曜、仕事終わりに携帯を開くと海人くんからのLINE。



海「今日来て」



海人くんからは、いつもこうして急に連絡が来る。

明日朝早いけど少しくらいなら…と思い、支度してすぐ行くねと返信をする。



海斗にいつも相談に乗ってもらいながらも、

結局こうして誘いが来てしまえば気持ちはあっけなく揺らぐ。

海斗に酷いことをしてしまっている自覚は大いにあるし、

大切にされていることも分かるからこそ、甘えてしまっているのかもしれない。



ごめんね、海斗。もう少し、もうこれで終わりにするから。

今、私が言えるわがままはこれくらいだから。




「なんか適当にお酒買ってきてよ、お金渡すから」



彼の自由気ままさには振り回されてばかりだけど、

それが心地よく感じるときもある。



慣れた手つきで普段飲んでいる缶ビールとチューハイを適当にカゴに入れ、レジに向かう。



「いまコンビニ出て向かうね」



たった数時間の繋がりの為に、わざわざ会いに行く。

恋人同士がしていることとなんら変わりはないのにわたしの心の中は空っぽ。


満たされればそれでいい、のは男だけで女の立場からすればそれ以上を求めてしまう。



「いらっしゃい」



その愛おしい顔を見ればすぐに、頭の中は貴方でいっぱいになってしまうんだよ。




―――――――

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作者名:chimachu | 作成日時:2021年6月25日 17時

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