リナリアーこの恋に気づいてー (ページ3)

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松倉side

「もう自分がどうしたいのかわかんなくなっちゃった」

そう言いながら笑ってごまかしながら、苦しそうな表情を浮かべるA。

昔からそう。自分の意見は言わず、相手の言うことばっかり聞いて傷ついて。

いくら俺が話を聞いてあげても結局、俺が入る隙なんて無くて。

こんなに大切に思ってるのに、って正直つらいのはこっちのセリフ。

『俺にしなよ』

ってそんな漫画の主人公みたいなかっこいいセリフが言えれば、

もっと早くAのこと俺のものに出来てたのかな。

相手の気持ちを勘ぐっちゃうのは俺も同じで、

言いたいことがうまく伝えられなくて空回りしてばっかり。

「今度の土曜、空いてる？」

いまならきっと、今までで一番側で支えてあげられる気がする。

そんな期待を抱いて誘う。

成功するプランがあるわけでもなく、口が勝手に動いていた。

もうどうしようもなくAのこと好きになっちゃってたんだな。

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