このモブ令嬢が ページ13
私はカツカツとカトリーナ達に近付き、バシャッと熱々の紅茶を掛けた。
「おい!カトリーナに何をするんだ!」
「何って…ただの暇つぶしですわ。それより、カトリーナのドレスに紅茶が染みついていますわよ?」
何となくある乙女ゲームのイベントに似せてみる。少し変わった暇つぶしだと思うが、今の私に出来る事はこれしかなかったのだ。
カトリーナは呆然とした顔のまま何処かに運ばれていった。
「ちょっと、何余計な事してくれてんのよ」
後ろから突然声が掛かる。私は振り向き、きょとんと首を傾げた。
「余計な事…?私は、あの子の逆ハーレムを観察しているだけですよ」
「それが余計な事だって言ってるのよ、このモブ令嬢がっ!!」
普通の令嬢からモブ令嬢という言葉が出て来る訳がない。あの子はきっと転生者なのだろう。
「そうですか、残念です。私、貴方と同じなんですけどね…」
「何ですって?じゃあ『異世界ラブメモリ』のシナリオも知っているの!?」
突然声を掛けてきた謎の令嬢は、私が転生者だと分かると急に態度をコロッと変えた。何だこいつは。
「私、悪役令嬢のローリエっていうの!よろしくね。『ラブリ』で一番死亡エンドが多い事で有名なんだよね〜ハッピーエンドでもバッドエンドでも処刑確定のかわいそーなキャラ!」
私はあんまり良く分からないのだけれど、ここは乙女ゲームの世界のようで、この子は悪役令嬢のローリエというらしい。
「あの…私、その乙女ゲームのシナリオ、知らないんです。私の役割って、何なんですか?」
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作者名:もか | 作成日時:2020年5月4日 19時