転生アリスの図書館生活～ヒドインも悪役令嬢も私の平穏には必要ない～ (ページ1)

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プロローグページ1

「平川さん、俺達、別れようか」

愛しいあの人の隣には、私の一番の親友が、涙を浮かべて縮こまっていた。

これではまるで、私が悪役令嬢のようではないか。私はかつて親友だった少女に怒鳴り散らしたいのを我慢して、少女を睨みつけた。

「由良、あんた、私の事…騙したわね？」

由良の目から大量の涙が水のように流れていく。どうして、泣きたいのは私の方なのに。

「有栖ちゃん、その、これは、違くて…」

「煩いのよ！あんたなんか、もう親友じゃない！顔も見たくないわ！！」

私は心なしか冷たい風が吹く屋上から、下にあるコンクリートの地面を見た。
ここから落ちれば、この茶番劇も、全て終わるのかしらね？

「……！！有栖ちゃん、危ないっ…」

ふわりと宙に浮く。次の瞬間、身体中に走る痛みに耐えられず、私は気絶した。