もし不破の先輩だったら 中学生編 ページ16
【不破視点】
放課後、今日も今日とてAは俺の部屋に入り浸っていた。
「晃士郎ー、ひま」
Aはローテーブルに両肘をついて、顔を手で支えた体勢で俺を見上げてくる。前屈みになっているせいか、胸が机の上に乗っかってるように見えなくもない。いつからこんなデカかったっけ。
そんな煩悩は隠していつも通りに答える。
「いやヒマじゃねーって。俺宿題やってんだから、教えてくれよセンパーイ」
「それ国語でしょ。苦手」
「えー」
俺は宿題を一旦切り上げて、Aと遊ぶことにした。
「あれ、もう終わり？」
「ああ。ゲームしよーぜ」
「うん。何やるの？ あ、車のやつやりたい」
「罰ゲームありな」
俺が教えるまでテレビゲームの存在を知らなかったというビックリ人間のAは、正直下手だがゲームは好きなようだった。
＊＊＊＊＊
「……えっ。あれ、勝った」
Aが最近ハマっているレースゲーム。はっきり言ってAはめちゃくちゃ弱い。カーブで体ごと傾けてしまうが、手元のリモコンが動いていないタイプのやつだ。
だからいつも手加減しているが、今日は手加減しすぎたせいかうっかり負けちまった。
「晃士郎、油断したね」
まあAが満足げにしているからいいんだけど。
「罰ゲームどうする？」
「うーん……じゃあ肩揉んで」
「そんなんでいいのかよ」
「だって肩凝るんだもん」
そりゃ巨乳だからだろ……なんてもちろん言えないが。
俺に背を向けて座ったAの肩を軽く掴む。ガッチガチじゃねーかよ。
「凝りすぎじゃね」
「自分で触っても全然ほぐれないんだよね。晃士郎、腕力ありそうだから期待してるよ」
「はいはい。どのへん？」
ここ〜、と言いながらAに指差された場所を親指で押した。
「い"っ……！」
「大丈夫かよ。なんかゴリってなったけど」
押した瞬間びくりと体を震わせたA。掴んだ両肩は思っていたよりも華奢で、うっかり折っちまいそうで怖くなってきた。
「ん……大丈夫。そこ、もっとして」
「……あのさぁ」
「ん？」
もっとエ ロくない言い方してくれ。
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作者名：三宮 | 作者ホームページ：https://alicex.jp/riiiiidoooosog7/
作成日時：2023年9月5日 0時
