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あれから４年、私は２１歳になった。
私はアパレル店員、美結は美容師とそれぞれ就職した。
今でも美結とは連絡を取り合っているし頻繁に会っている。
「 お先に失礼します、お疲れ様でした〜 」
お気に入りのバッグを手に取り、店を出た。
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夜でも人が多い通り。
家族連れや友人と、急いで歩く人たちやカップル。
様々な人たちが前を見て進んでいる。
あれから彼とは全く会っていない。
３年生になってクラスが同じになることも無く、
むしろ、２年生の時よりも離れた。
そのせいか校内で会うことは少なく
会うとなってもすれ違う程度で話はしない。
一気に環境が変わっていった。
連絡も取っていない。
それなのに、やっぱり私の心には彼がいる。
忘れようとしても離れてくれない彼は………ズルい。
いつまでも、引きずりたくなんかないのに。
新しい恋愛も出来ず、４年が過ぎた。
「 ……… 」
前から歩いてくるピンク髪が目立つ男の人。
………何もかも、彼を思い浮かべてしまう。
友人らしき人たちと一緒にいるけれど一際目立つ彼。
樹に似てるなって、そんな好奇心で顔を見ると
「 えっ … 」
思わず、漏れてしまった声。
彼にもその声が聞こえてしまってこちらを向く。
彼も同様、驚いていた。
「 っ … 」
だって……私が忘れたくて忘れたくて仕方がなかった人。
「 A … 」
時が止まったみたいに、何も聞こえなくて
「 ちょ … ！ 」
再会なんかしちゃいけない。
会ってはいけなかった。
だから … 私はその場から逃げた。
ヒールだから遅いけれど、でも彼から離れなきゃ。
そうじゃなきゃ、また………彼を忘れられなくなる。
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作者名：Mois
| 作成日時：2020年9月29日 22時
