【刀剣乱舞】短編詰め (ページ14)

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本丸怖い話ページ14

顕現したての一期一振に初鍛刀である薬研藤四郎が、本丸の案内をする。どうやら初期刀は不在のようだ。
しかし、この本丸は一風変わった本丸のようで、あちらこちらにお札が貼られている。
この部屋は手入れ部屋、隣は鍛刀部屋、一つ飛ばして物置_____というように、なんの部屋か紹介されないお札の貼られた部屋がいくつか存在する。神事に明るくない一期一振は、札の意味も分からず、思い切って薬研に聞いてみることにした。薬研は苦笑する。まあ気になるよな、と呟き、再度口を開く。寝ずの番をする時にわかるだろうと。ただ一言そう言ったのだった。

時は立ち、初めての寝ずの番。初回のため、薬研がともについてくれるらしい。施錠の確認箇所や、夜戦のコツ、気配の感じ方…夜に強い短刀だからこそのアドバイスをくれる。まじめに聞いていると、件の、数あるうちの一つの札の部屋にたどり着く。空気が張り詰めるのを感じた。薬研はぼそりと独り言を呟く。今日は元気みたいだなぁ、旦那。どういうことだろう？薬研に声をかけようとすると、かた、と何かが動くような物音がした。今のは。確実に札の部屋からした物音である。薬研はこちらを振り返り、口元に指を当てる。静かにという仕草だ。次に耳裏に手を当てる。よく聞け、という仕草。その言葉に従うと、微かに声が聞こえることに気づく。どこ？どこ？ねえ、どこ？どこにいるの？聞こえる声、衣擦れの音。なにかが、中にいる。うっすらと邪気のようなものを感じる。太刀である自分が感じるのだから、相当なものだろう。薬研と一期は札の破損がないかを確認し、その場を後にする。あれが、札を貼っている要因だ。薬研は淡々と伝えた。あれはなんだったのか、他の札の部屋にもいるのか、と聞くと、目を見開くようなことを彼は告げた。

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