1 であい ページ1
それは、何も変わらん日のことやった。
「ふぁぁぁ……。」
20代半ば、職も安定してきている頃。
定時よりもちょっとやけ遅い時間にいつもの帰り道を歩いとった。
あー、まじあの女臭えんよなぁ。
なんつーか、the,香水の匂いっつーの？
鼻につくから辞めて欲しいんやけど。
不満を心ん中でたらたら並べとってたけど、それをある"声"が被せる。
「……あ？」
視線をそっちに移すと、段ボール箱が。
それは、俺の膝にも及ばん高さのかなり小さいやつやった。
そして、その段ボール箱の側面には何か文字が。
……なんやねん、それ。
まあ、俺には関係無いもんやから、と思いまた足を動かす。
しかし、段ボール箱からまた"声"が聞こえる。
その"声"は、人間が発してるものでは無い。
……どうやら、鳴き声のようやった。
犬、か……？
どんな犬なんやろと好奇心が何故か湧き、何故か段ボール箱に足が近づいとった。
恐る恐る覗き込むと、俺にビビったんか顔を下に向けた。
……なんで下向くねん。
俺はしゃがみ込み、その犬に手を差し伸べた。
そいつは俺の掌と同じ位の大きさで、大体15cmから20cmぐらい。
あと、毛は長く、ふさふさしてそうで癒される感じのやつ。
ジーッと見つめとると、そいつはゆっくり顔をあげた。
目の色は吸い込まれそうな黒色で、眉がはっきり見えるやつ。
目があった瞬間、そいつはキャンキャン吠えだした。
「うおっ！？ やかまs…………大丈夫か？」
いきなり怒鳴りそうになり、慌てて声を小さくする。
この前、ショッピ君が「猫は警戒心が強いから怒鳴ったりしないで下さいね。」と言っとったから、犬にも怒鳴っちゃダメだよな……？
ある程度そいつはキャンキャン吠えると、疲れたんかゆっくり倒れ込んだ。
「え？ え？」
慌てて様子を確認すると、そいつはどうやら寝ているようやった。
その姿はそこら辺の女よりも愛おしくて、ある感情がうまれた。
「……かわええな。」
俺はそっとそいつを段ボール箱ごと持ち上げ、家まで歩いた。
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キーナコチモ(プロフ) - 魔夜さん» コメありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです！ (2021年7月14日 17時) (
レス) id: 0743c30b41 (このIDを非表示/違反報告)
魔夜(プロフ) - コメント失礼します、めっっっさ癒される…！！ありがとうございます (2021年6月29日 19時) (レス) id: 32b652fdb6 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - 愛さん» 読んで頂きありがとうございます！ぜひやりましょ！ (2021年5月3日 10時) (レス) id: 33306f1976 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - プロセカ僕もしたいﾅｰ誰か一緒にやってくれないカナー|･ω･*)ﾁﾗ (2021年5月1日 21時) (レス) id: 96009e0c9c (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅ｨ(プロフ) - あんこおさん» おぉ、嬉しいっす！ (2021年3月19日 23時) (レス) id: 747d5d9f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キーナコチモ | 作成日時：2021年2月21日 13時
