ちっちゃい彼らは今日もかわいい。

８話　なやみごと ページ12

『えっと…ここだよ。』

ライブ&エビル「おじゃまします。」

これから、しばらく同居生活。

嬉しいような、不安なような。

でも、拾ったのは私。責任を持って飼わないと！

エビル「…俺たちを『飼う』って言うのやめろ。」

『あ、すみません。』




『そういえばさ。』

ライブ「？ どーしたの、Aちゃん。」

『二人って…どうやってこっち(現実世界)に来たの？』


ライブ「……それは……(ﾁﾗｯ」

エビル「………(ﾁﾗｯ」


二人で目配せしてる。何かあるのかな。



ライブ「………ごめん、分からないんだ。」

『…えっ？』

エビル「デッドマンの残党と戦ってたはずなんだが、気がついたら空にいた。」

ライブ「多分だけど…新手の敵の攻撃、なのかな…」

『…そっか、大変だったね…』

本当に、大変だなぁ。

いつも、大切なもののために戦って。

時にはケガして、それでも戦う。

命がいつ無くなるか分からない。明日かもしれない。

…それが、彼ら。

こっち(現実世界)には、デッドマン達はいない。

そんな、ひとときの安息の時に。


(拾ったのが私で…本当に、良かったのかな…？)





ライブ「……A、ちゃん…？」

『…あっ、ど、どしたの？』

ライブ「なんだか、落ち込んでるように見えて…」

『……なんでも、ないよ。』

鋭いな。

そう思いながら、愛想笑いと共に返す。






エビル「…ﾁｯ、俺がそんな愛想笑いに騙されるとでも思ったか？」

『え、』

エビル「何だ、拾ったのが自分で良かったのか、とでも思ってるのか？」

『！？』

『な、んで…わかるの……？』

エビル「顔に書いてあるんだよ、お前。」

「変なこと考えんな。…俺は、お前で良かったと思ってる。」

『…えびる…っ…』

思わず涙が溢れた。

ライブが寄ってきて、おろおろしながら手を握る。

…まあ、指だけど。

エビル「あー…うっとうしい。泣くな、」

　 「………A。」

『……へっ？』

A。A。今、A、って。

『名前、呼んでくれた…！』

『ね、もう一回！ もう一回「A」ちょうだい！』

エビル「は？…っ、呼ぶわけねーだろ！」

　 「てかお前元気になったのかよ！！」

『元気出るよ、推しに名前呼んでもらったんだし！』

「はぁぁぁ！？」

再び賑やかになる、私の部屋。


あの悩みは、いったん保留しとこ。

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