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「ほら、ウサギもおるしネコもおる」
「わぁ」
ぬいぐるみがたくさん積まれたUFOキャッチャーに連れて行けば、不安げな顔はどこかに飛んでいってとたんにぱっと目を輝かせた。うんうん、よかったよかった。よし、ここはひとつ。
「どれがいい？お兄ちゃん取ったるわ」
「ほんと？」
「おお、おお。言ってみぃ」
「じゃあ‥‥ねこさん」
「おっけー任して」
ポケットから取り出した小銭を、投入口へ入れるとチャリン！とリズムよい音が鳴った。
★
「ちゃうちゃうもっと右や大先生！！なんでそこやねん！？」
「いやーもうこれ無理ちゃう？諦めたら？」
格ゲー勝負を終えて戻ってきたコネシマとトントンが、さっきから背後でいらん野次を飛ばしてくる。俺は何回目かわからないコンテニューをしているところだった。
「ぐぬぬぬこんなはずでは‥‥」
「UFOキャッチャー下手くそなくせになにかっこつけてんねん」
「トントン〜〜〜〜〜兄にはやらなあかんときがあんねん〜〜〜〜〜〜〜」
「ちゃうちゃうちゃう！！そこのタグに引っ掛けんねん！！」
「じゃかしいわお前さっきから！声がでかいねん！」
わぁわぁと口喧嘩をしながら、ちらりと視線を流せば隣でおろおろしているAが写る。あかんこれ完全に引っ込みが‥‥。
「Aちゃーん」
「？」
ふいにロボロがやってきて、Aにリボンのヘアゴムを手渡した。きょとんとAが目を丸くする。
「これ偶然取れてん。Aちゃんにあげるな」
「わぁ‥‥」
大きな赤いリボンにハートの作り物の石がついたそれに、Aは目をきらきらさせる。
「くれる？」
「うん。さっきびっくりさせちゃったやろ？ごめんな」
「！」
はっとした顔をして、Aはこくんと頷くとおそるおそるそれを受け取った。
「‥‥あ、ありがと」
「ううん。ええんよ」
嬉しいのと、やっぱりまだある人見知りと照れが混ざりながらはにかむAの前にしゃがみ込んで、にっこり笑うロボロに、自身の頬が引きつるのがわかった。こいつ‥‥。
「ロボロォ‥‥」
「これは勝ちましたわ〜」
「てんめぇ‥‥」
「あっはっはっ！やられたなぁ大先生！」
「ほら大先生、もう帰ろうや。そろそろ時間や」
未成年である俺たちは特定の時間以上はゲームセンターにいられない。肩をぽんぽん叩かれて、俺はがっくりうなだれながら、今日は解散することにした。
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千歳(プロフ) - めぅか。さん» 初めまして！はい、全くもって無関係です。そちらを意識した訳では無くこの単語の意味合いを持たせたお話のため付けられたタイトルです。ご理解賜りますようお願い申し上げます。最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年4月9日 21時) (
レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - ゆうかさん» 私もしんどい思いをしながら書いておりました…自分で書いておいて「救いはないんですか！！」って感じです…一緒に見守ってくださりありがとうございました！私もrbrさんすごく好青年に書けたな…としたり顔してます！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - まもやろたおさん» ありがとうございます・・なんとか完結に漕ぎ着けました・・・！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
めぅか。 - あの、これのタイトルってま/ふ/ま/ふ/様の曲と同じではありませんか？不快な思いをされる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか？作者様はそういうつもりがないのは重々承知しておりますが一応言わせていただいときます。作品としてはとっっっっても好きです！ (2020年4月8日 22時) (レス) id: aacdd32f14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - しんどい……(；；)こういう自己犠牲だったり屑だったりするお話好きなので、辛いけど最高でした……登場人物の感情がまっすぐに伝わってきて、凄く感情移入出来ました。すごい……完結おめでとうございます、お疲れ様でした！！(個人的にはrbrさんが凄い好きでした) (2020年3月30日 19時) (レス) id: 8749d17fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年9月30日 0時
