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私とお兄ちゃんは血の繋がっていない兄妹だ。
お兄ちゃんはお父さんの連れ子、私はお母さんの連れ子だった。
私のほんとうのお父さんは俗に言う”ダメ男”というやつで、浮気性な上に乱暴な人だった。お母さんは私がいるせいで、お父さんから逃げることができずに私が小学２年生になるまで、苦しい生活を続けていた。
「はじめまして、Aちゃん」
それを救ってくれたのが、新しいお父さんだった。
お母さんの相談に乗ってくれて、なんとか離婚できたお母さんに再婚を申し込んだのだ。穏やかで、前のお父さんとは全然違う。
「ほら、自分で名前が言えるでしょう？」
わかっている。
わかっていたのに、私は新しい家族になかなか心を開けなかった。もしかしたら、この人も前のお父さんと同じように、お酒を飲んだらわたしを叩くかもしれない。お母さんを叩くかも。
そう思ったら怖くてたまらなかった。
お母さんがこの２人は大丈夫だといくら言っても、私の恐怖心は消えなかった。
そうしたら。お母さんが私を叩いた。
「ごめんなさい」
大好きなお母さんに叩かれて、私は心の底から後悔して詫びた。助けになりたい気持ちはあるのに、上手くいかない。お母さんをこうして泣かせてしまった。
”「おいで」 ”
そんな私を助けてくれたのが、お兄ちゃんだった。
お兄ちゃん、だったのに。
中学校へ上がってしばらくして、あんなに私に優しかったお兄ちゃんは変わってしまった。私がきっとまた、至らなかったせいだ。必死に頑張ったけれど、お兄ちゃんは元に戻らなかった。
「どうしたの？A」
「！あ、ううん。なんでも」
箸を止めて考え込む私に、お母さんが心配そうに顔を覗き込む。いけない。お母さんに心配をかけないようにしないと。気を引き締めて、笑顔を浮かべてみせる。
「今日はわたし吹奏楽で遅くなるから‥‥夕飯は友達と食べて帰るね」
「あらそう？欝くんはどうかしら」
「俺は今日会社の飲み会やから〜。気にせんでええよ」
お母さんの前ではお兄ちゃんは人好きする笑みを浮かべて、好青年を演じる。おかげでお母さんが不安になることはない。内心ため息をつく。
「ごちそうさま〜。電車混むし、もう行くわ」
「あっわたしももう出なきゃ」
「いってらっしゃい２人とも、悪いけど今日はゆっくりさせてもらうわね」
すこし顔色の悪い顔でお母さんは緩やかに手を振った。
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千歳(プロフ) - めぅか。さん» 初めまして！はい、全くもって無関係です。そちらを意識した訳では無くこの単語の意味合いを持たせたお話のため付けられたタイトルです。ご理解賜りますようお願い申し上げます。最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年4月9日 21時) (
レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - ゆうかさん» 私もしんどい思いをしながら書いておりました…自分で書いておいて「救いはないんですか！！」って感じです…一緒に見守ってくださりありがとうございました！私もrbrさんすごく好青年に書けたな…としたり顔してます！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - まもやろたおさん» ありがとうございます・・なんとか完結に漕ぎ着けました・・・！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
めぅか。 - あの、これのタイトルってま/ふ/ま/ふ/様の曲と同じではありませんか？不快な思いをされる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか？作者様はそういうつもりがないのは重々承知しておりますが一応言わせていただいときます。作品としてはとっっっっても好きです！ (2020年4月8日 22時) (レス) id: aacdd32f14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - しんどい……(；；)こういう自己犠牲だったり屑だったりするお話好きなので、辛いけど最高でした……登場人物の感情がまっすぐに伝わってきて、凄く感情移入出来ました。すごい……完結おめでとうございます、お疲れ様でした！！(個人的にはrbrさんが凄い好きでした) (2020年3月30日 19時) (レス) id: 8749d17fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年9月30日 0時
