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わあっ！と歓声が爆発みたいにはじけて、会場を波打った。それとは対照的に、おろおろとするダークシャドウがなんだかおかしくて、私は思わずくすっと笑ってしまう。
「ううん、大丈夫だよ。手加減しないでくれてありがとう、ダークシャドウ」
＜？？ おう＞
ああ、負けちゃった。
私の今の全力だった、それでもかなわなかった。
「守沢！」
ミッドナイト先生と一緒に、こちらへ駆けてくる常闇くんの姿が見えて土埃を払って立ち上がる。ダークシャドウが手をかしてくれた。紳士だ。
「驚いた、まさかシールドをブーメランのようにして使うとは。障害物競走のときも言ったが、柔軟なのだな」
「あはは‥‥ありがとう。でもやっぱり常闇くんは強いね、完全に油断して最後捕まっちゃったもん」
「いや、俺も油断していた。お互いに反省点も多々あるだろうが、糧とし歩もう」
「うん！私の分も勝ってね！」
自然と私は右手を彼に差し出していた。
常闇くんは一度ぱちくりと目を見開いたが、すぐにふっと細めて私の手を握る。ミッドナイト先生が、視界の隅でなにやら恍惚としていたけれど、とにもかくにも、私の雄英体育祭はここで終了した。
★
セメントス先生に怪我の有無を聞かれたが、首を振って否を伝えた。まだ歓声と興奮覚めやらぬ会場を背にして、バックヤードへと戻る。もう屋内なのに、まだ会場の声が届く。
一歩一歩、クラスの席へと歩を進める。
「‥‥」
ぽろ、と涙が頬を伝った。
嬉しい気持ちと悔しい気持ちと、もうよくわからないものがぐるぐるになって、私の胸のうちをがんがん叩いて、こらえられなくてこぼれた。
悔しかった。けど嬉しかった。
自分の力がここまで通用した、使えた。この力が、誰かを傷つけるんじゃなくて、もっともっと別のことに使えた。でも、やっぱり悔しくて、もっともっと力がほしいって。
もっともっと、強くなりたいって。
「う‥‥ううー‥‥」
止めなきゃ、また梅雨ちゃんに心配されちゃう。
「守沢！？」
「へ」
ぱっと顔を上げると、焦ったような顔の切島くんと目が合った。慌てた様子でこちらへと駆け寄ってきてくれる。
「(えーーーーうわーーーー！？誰かとすれ違うなんて、そ、そっか会場はほとんど崩れてないからすぐ次の試合、つぎ切島くんと爆豪くんっ‥‥)」
「おい、大丈夫か！？どっか痛ぇのか！」
「あわ、いや、あの」
眉を下げながら、切島くんが私の肩をつかむ。心配してくれるのは嬉しいけど、距離が‥！
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千歳(プロフ) - ナモミールさん» ひえー！ありがとうございます！うんうん考えながら書いているので嬉しいです！尾白くんはもう主ちゃんちょっと気になってる感じですね、たぶんUSJ辺りからです。どうなるかどうか一緒に見守ってください！ありがとうございました！ (2020年3月27日 23時) (
レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
ナモミール(プロフ) - 凄く面白いです!あまり尾白君の出番がある作品はほぼ無いので凄く好みです…!個人的には夢主ちゃんのお相手になったら…(←図々しくてすみません) (2020年3月24日 1時) (レス) id: fc525afbc4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！私得だけだと思って書いたんですが、楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年8月22日 16時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 続編おめでとうございますー！一番最初の方にオマケ（？）みたいな感じで載っていたお話、とっても面白かったです！更新応援していますー！ (2019年8月22日 9時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年8月4日 21時
