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力技で個性を伸した緑谷くんに、余裕に見えていた心操くんの表情が崩れていく。
「っ････！指動かすだけでそんな威力か羨ましいよ！俺はこんな"個性"のせいでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間には分からないだろ！」
心操くんの表情は見えない。のに。痛そうな声音が。
「誂向き"個性"に生まれて、望む場所へ行ける奴らにはよ！！」
私の譲れないもの。
「！ Aちゃん？」
「っ」
「ケロ！？Aちゃん！どこへ行くの！？」
梅雨ちゃんの制止の声にも答えず、私はクラス席から駆け出していた。緑谷くんと心操くんの咆哮が聞こえてくる。
足は止まらない。とにかく今すぐに心操くんの元に行きたかった。違うよって、叫び出したかった。
【心操くん場外！緑谷くん2回戦進出！】
アナウンスと歓声が聞こえてくる。息を切らせて、スタッフさんの制止さえも飛び越えて、私は心操くん側のゲートの前へと辿り着いた。
歓声のなか、外の声が漏れて聞こえてくる。
「かっこよかったぞ、心操！」
「この個性、対敵に関しちゃかなり有用だぜ、欲しいな･･･！」
「雄英もバカだなーーあれ普通科か」
ああ、そうか。みんなも分かってる。
「聞こえるか心操おまえ、すげーぞ」
彼が格好良いヒーローだってこと。
「今回は駄目だったとしても絶対に諦めない。ヒーロー科入って資格取得して、絶対おまえらより立派にヒーローやってやる」
フィールドから戻ってきた心操くんは、私の姿を見て目を見開いて驚いていた。構わずに駆け寄る。
「おまえ、なんで･･･」
「やっぱり、私間違ってなんてなかったよ」
心操くん。
「格好良かったよ！心操くん。心操くんは格好良いヒーローなんだよ！」
「っ、」
虚をつかれたような表情で、心操くんが固まる。そのまま、ガシガシと自身の髪をかき混ぜてじとっと私を睨んだ。
「････守沢」
「なに！？っ、あ」
ぴきん。と体が固まってしまった。心操くんに個性を使われてしまったようだ。
間抜けな私の様子を見て、心操くんは可笑しそうにくくくと肩を揺らす。
「もう少し警戒しろよ」
「･････っ、あ、解け、？ひ、ひどいよ心操くん」
「ばーか」
「ばっ！？」
「････お前らよりも、って。あれにはお前も入ってんだからな、守沢」
心操くんの鋭い視線に射抜かれて、思わず肩が上がってしまう。精一杯睨み返して、私は口を開いた。
「臨むところだから！」
「･････ばーか」
「ばっ！？」
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千歳(プロフ) - ナモミールさん» ひえー！ありがとうございます！うんうん考えながら書いているので嬉しいです！尾白くんはもう主ちゃんちょっと気になってる感じですね、たぶんUSJ辺りからです。どうなるかどうか一緒に見守ってください！ありがとうございました！ (2020年3月27日 23時) (
レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
ナモミール(プロフ) - 凄く面白いです!あまり尾白君の出番がある作品はほぼ無いので凄く好みです…!個人的には夢主ちゃんのお相手になったら…(←図々しくてすみません) (2020年3月24日 1時) (レス) id: fc525afbc4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！私得だけだと思って書いたんですが、楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年8月22日 16時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 続編おめでとうございますー！一番最初の方にオマケ（？）みたいな感じで載っていたお話、とっても面白かったです！更新応援していますー！ (2019年8月22日 9時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年8月4日 21時
