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「っ、ぐ、」
1枚板にぶち当たった雷が、四方八方に四散する。バリバリバリ！とけたたましい音を立てて、やがて放電が止むがまだ油断できない。
この稲妻は上鳴くんのものに違いない、彼はたしか、轟くんと
「心操くん、屈んで！」
「！」
「シールド！」
素早く屈んだ心操くんの真上を半円のドーム型シールドが覆う。ﾊﾟｷ、と聞こえた次の瞬間には電撃を受け足止めされた生徒たちの騎馬を、氷結が繋ぎ止めた。
けれど私はなんとか、轟くんの氷結を防ぐことが出来たようだ。
「････！へぇ、」
「解除する、ここから離れるね、心操くん」
「ああ」
注意しながら距離を取る私たちの向こうでは、轟くんの氷結によって囲われたフィールドで緑谷くんと轟くんが激戦を繰り広げていた。
あちこちで爆豪くんの爆破の音も聞こえてくる。心操くんはモニターのポイントを確認して、私の耳元へと口を寄せた。
「残り1分、動くからサポートしろ」
「え？」
「あのチームの2本、俺が取る」
★
【TIME UP！！！！！】
プレゼントマイク先生の骨の髄まで届くような爆音が、騎馬戦の終了を告げる。それを聞くと同時に、心操くんは私たちの騎馬から下りた。
「っ、あ」
最後の1分弱。緊迫するフィールドで、彼は冷静だった。目立たなくていい、とはこういうことだった。制限時間ギリギリまで体力を温存する、しかしポイントを守り続けているチームは消耗している。
そこを、そのチームから2本、心操くんは絶妙な青山くんと尾白くんへの指示で彼らの力を使いかすめ取り、私はそれを助けた。
「ご苦労さま」
「あ、心操くん･･･！」
わけも分からず辺りをキョロキョロ見ながら佇む2人を見て、私は青山くんと尾白くんの個性が解けたのだと理解した。離れていく心操くんを呼び止める。
「分かったろ」
「え･･･」
「俺は、格好良い主人公なんかじゃないって」
「････！」
言葉を飲み込む。心操くんの表情は、痛くて悲しかった。彼はそのまま背を向けて普通科の列へ戻っていく。
「守沢さん･･･？」
「お、じろくん･･･」
「何が･･･守沢さんも、あいつとチームを組んだのか？俺、あいつに声をかけられてから記憶が･･･」
「････ごめ、んなさい」
「え？」
「わたし、分かってたのに、分かれた、のに」
「････とにかく、整列しよう守沢さん」
困惑した表情でこちらを見つめる尾白くんに、私はなにも言うことが出来なかった。
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千歳(プロフ) - ナモミールさん» ひえー！ありがとうございます！うんうん考えながら書いているので嬉しいです！尾白くんはもう主ちゃんちょっと気になってる感じですね、たぶんUSJ辺りからです。どうなるかどうか一緒に見守ってください！ありがとうございました！ (2020年3月27日 23時) (
レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
ナモミール(プロフ) - 凄く面白いです!あまり尾白君の出番がある作品はほぼ無いので凄く好みです…!個人的には夢主ちゃんのお相手になったら…(←図々しくてすみません) (2020年3月24日 1時) (レス) id: fc525afbc4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！私得だけだと思って書いたんですが、楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年8月22日 16時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 続編おめでとうございますー！一番最初の方にオマケ（？）みたいな感じで載っていたお話、とっても面白かったです！更新応援していますー！ (2019年8月22日 9時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年8月4日 21時
