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声をかけてきてくれた彼に、私は「ああ、やっぱり友達と思ってよかったんだ」と安心してそれはもう間抜けな笑顔で振り向いたと思う。
瞬間、なにか詰まったような彼の表情を最後に、私の視界は真っ黒に染まって見えなくなる。
誰かが私の名前を呼んだ？誰だろう？
「･･･くそ、」
心操くんの苦しそうな声が聞こえてくるような気がした。
どうしたの？心操くん。どうして、そんなに辛そうな、苦しそうな声で。
深い意識の底へ落ちていこうとする私を、心操くんのその声が引き止めていた。今にも崩れてしまいそうなのに、必死に抵抗して手を伸ばそうとする。
「(なんで、私の手、動かないんだろ)」
黒く濁った視界の向こうに、無表情のふりをしながら目元や口元に悲しさが滲んだ彼がいる。どうしたのって、肩を叩きたい。それがどれほどの救いになるかって、私は教えられたから。
指先が震えた。
動いて、お願い。もう助けを求める人の手を、取れないのは嫌だから。
「し、」
「、え････」
「ん、そう、く」
彼の苦しそうな声が、表情が色濃くなってうまく見えない視界に淡く滲む。ああ、もうだめだ。引っ張られる意識に、ついに抵抗出来なくなって落ちていこうとする。
その瞬間だった。
バチン！
と。衝撃と共に視界が黄色く弾けたのは。
「！？ え、え！？」
「･･･」
目の前には、悔しそうな、やはり苦しそうな表情を目元に浮かばせた心操くんが手を上げたまま立っていた。訳も分からず混乱していると、頭にズキッと痛みが走る。心操くんの不自然なその右手。まさか。
「い、いたぁ！？心操くん頭叩いた！？すごく痛いんですけど････！」
「････」
「あ、あれ？というかいま･･･？あ、え？騎馬戦始まろうとしてる？ええ？」
「････うるさい」
べちんと今度は額を手のひらで叩かれる。痛い。
なんで？さっき交渉タイムスタートしたばっかりでは？？もうすぐ終わろうとしてるんだけど！？
「守沢、」
状況を掴もうとキョロキョロ辺りを見回す私の頬を両手でぎゅむっと掴んで、心操くんが怖い顔で私を睨む。
「へぁ･･･」
「俺と組め」
「へぇ！？」
「2度言わせんな、俺と組め。････つーかもう面子ほぼ固まってるし、もう俺と組むしかないけどな」
「な、なんで、」
「･･･気が変わったんだよ」
心操くんはくるりと背中を向けて歩いていこうとする。
「お前の力貸せ」
「････！は、はい！」
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千歳(プロフ) - ナモミールさん» ひえー！ありがとうございます！うんうん考えながら書いているので嬉しいです！尾白くんはもう主ちゃんちょっと気になってる感じですね、たぶんUSJ辺りからです。どうなるかどうか一緒に見守ってください！ありがとうございました！ (2020年3月27日 23時) (
レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
ナモミール(プロフ) - 凄く面白いです!あまり尾白君の出番がある作品はほぼ無いので凄く好みです…!個人的には夢主ちゃんのお相手になったら…(←図々しくてすみません) (2020年3月24日 1時) (レス) id: fc525afbc4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！私得だけだと思って書いたんですが、楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年8月22日 16時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 続編おめでとうございますー！一番最初の方にオマケ（？）みたいな感じで載っていたお話、とっても面白かったです！更新応援していますー！ (2019年8月22日 9時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年8月4日 21時
