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突然の来客にも、お母さんは快く了承した。お菓子やコップを用意してくれている。俺はランドセルを自室に放り出し、階段を上ってこようとするAをぐっと抱き上げた。
小学４年生の俺には３歳になった名前を抱き上げる、というよりは持ち上げるといった表現の方が正しいかもしれない。
「また着いてきたん？」
「とーと、あそぶのー？」
「うん。けど今日はおれの友達が来るねん」
「ともあち？くるのー？」
「そ。Aも保育園におるんやろ？」
「おるよー」
おそらく深い意味はわかっていないのだろう。Aは無邪気におれの言葉尻を反復してきゃらきゃらと笑っている。
階段に座ってそんなことをしてAと遊んでいると、ぴーんぽーんと軽快なベルが来客を知らせた。途中で落ち合ったらしく、３人揃って玄関先に立っている。
「よく来たな」
「トントン家ひさしぶりや〜。あ、これお母ちゃんから」
「あ、悪いな。大先生の家のお母さんも忙しいのに」
「シッマちゃんと靴揃えや！」
「ロボロは細かいの〜」
さっきまで和やかな雰囲気が流れていた玄関先が騒がしくなる。お母さんもやってきて、いらっしゃいと微笑みかけてくれた。
「さあ上がって。トントンくんのお部屋にお菓子を運ぶから」
「ありがとな！」
「人ん家のお母さんに慣れ慣れしいぞおまえー。」
「お母さん、お綺麗ですね」
「おまえは別の意味で馴れ馴れしいな！？」
俺はあえて突っ込まずにしらっと流してもロボロが処理しているのでありがたい。お母さんはくすくす笑いながら、Aに手を差し出した。
「さ、Aちゃんはお母さんと遊びましょ」
「あ！その子が妹？」
ついに気がつかれてしまった。故意に自分の後ろに隠していたのだが、Aは大先生の声に釣られてひょっこりと顔を出す。
「こんちはー。おれロボロ言うねん」
「ろーろ？」
「あはは！そうそう」
さすが妹がいるロボロが真っ先に慣れた様子で話しかける。
「Aちゃんも上行こう」
「あら？いいの？」
お母さんの問いには全員でうなづいた。もともとこいつらは俺の妹を見に来たのだ。じゃあ後でねとAの頭をなでで台所へ戻っていく。それじゃあ行くかと２階のおれの部屋へみんなを通した。
「Aちゃんはもう話せるん？」
「もう３歳やから話すよ。走るし」
「そっか。Aちゃん、おれは欝、いうんよー。でもみんな大先生ってよぶわ」
「ともあち？」
俺の友達か？という意味だろう。
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千歳(プロフ) - 櫻さん» ひえーありがとうございます！嬉しいお言葉頂戴してしまい恐縮です‥‥この２人にとっては、どんな結末になっても幸せになれないな、と思い詳しく書けなかった次第です。私のさじ加減で決めつけてしまう気がして‥‥。ありがとうございました！ (2019年9月29日 18時) (
レス) id: 3a13f3dc2e (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - きのこ(em推し)さん» ああああ楽しんでいただけたのならよかったです‥‥！ほのぼの(？)書く事が多くてこういう系統はあまり書かなかったので‥‥！崇めないでください‥‥！でもありがとうございます‥‥！ (2019年9月29日 18時) (レス) id: 3a13f3dc2e (このIDを非表示/違反報告)
櫻(プロフ) - 心臓がっ！心臓が痛い！！とても素敵なお話に出会えてもう言葉にできません。二人がどうなったのか読者に考えてもらえる構成が素晴らしいと思いました。 (2019年9月29日 14時) (レス) id: 9db9e664f9 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - あぁぁっぁぁっぁあ尊いぃぃぃぃぃぃぃtn氏カッコ良過ぎるよぉぉぉ神作者様の千歳様を崇めさせてください。 (2019年9月28日 18時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年9月28日 4時
