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「あれ、どうしたんだ井上さん」
「飛脚が郵便物を届けてくれたんだけどね。津々楽さん宛の手紙に、差出人の名前が書いて無かったんだよ。心当たりあるかい？」
「ーーえ、なんで私に」
Aは驚いて目を見張った。今の井上の話は違和感だらけだ。第一に、Aに手紙なんて届くはずがないのである。元々江戸で生まれ育ち、そこそこ裕福に暮らしていたAだったが、尊敬していた父の死をきっかけに、誰にも行き先を告げず、家を飛び出した。だから、身内から知り合いまで、誰一人としてAの現在地を知らない。知ろうともしないだろう。むしろ、Aがいない方が兄にとっては好都合だ。そのような事情もあって、Aに手紙を送る人間など思い付かないのである。それも、わざわざ差出人の名前を伏せて……
どこか心がざわめくのを感じながら、何かに急かされるようにして、井上に頼み込んだ。
「なぁ井上さん、その手紙見せてくれねぇか？」
「ああ、もちろんいいよ」
「ありがとう」
井上から手紙を受け取り、すぐさま目の前に広げる。
ーー津々楽A様、と几帳面さが滲み出る角張った文字で綴られた内容は、たった二行という非常に簡潔にまとめられていた。それを読み終えた刹那、Aはこの不可解な出来事に納得した。たった一人だけ、いるのだ。Aに手紙を送る可能性のある人間が。
「……そろそろ潮時、かな」
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☆辻村春樹☆(プロフ) - ハルさん» 初めまして！コメントありがとうございました。沖田姉弟の場面もこだわって書いている部分が多いので好きになって頂けて嬉しいです。総悟は出番少なかったので徐々に増やしていけたらいいなと思ってます！これからもよろしくお願いします。 (2022年1月6日 23時) (
レス) @page35 id: 4b0a37e42a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 初めまして。沖田が姉上とデェトと言うところが可愛すぎます……。あと文章がめちゃくちゃ好きです。とても引き込まれます。ミツバの印象のシーンなんてもう感動いたしました！これからも応援しています！ (2022年1月6日 22時) (レス) @page14 id: 2a42df9825 (このIDを非表示/違反報告)
☆辻村春樹☆(プロフ) - いくまさん» わ、嬉しい！ありがとうございます！！需要ないよな、と落ち込んでましたが、おかげでこれからも書き続けられます、更新頑張ります！！（嬉し泣きしそうです…） (2021年12月13日 18時) (レス) id: 4b0a37e42a (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 新作ドタイプです…陰ながら全力で応援させて頂きますね、、！更新頑張って下さい！ (2021年12月13日 17時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆辻村春樹☆ | 作成日時：2021年12月12日 20時
