ヤンデレ一松続編 (ページ12)

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第62松ページ12

チョロ松目線

意外にも戦いは思ってたより延長戦になり、両者一歩たりとも勝ちを譲らない。

最初はナイフを所持していた一松だが、おそ松兄さんの蹴りによってナイフは突き飛ばされ現在はお互いタイマンで戦っているのであった。

それにしても、一松が思ってたより強い…。

肩固めを決めたつもりでいたが、直後一松は俺の腕を振りほどき、蹴りをいれてきた。

「あんたらしぶといよね、そろそろ負けを認めたら？」

「そりゃあこっちの台詞だっつーの」

でもこのままだと戦いは終わらずに延々となってしまうだろう。

何かこのゴールが見えない戦いに勝利の糸口が見あたらないか考えていると、隣からおそ松兄さんの命令がきた。

「チョロ松、カラ松！お前らはAのとこに行け！こいつは俺が何とかするから！」

突然の命令に僕たちは止まった。

僕はなんて言おうか考えているとカラ松が先に口に出した。

「あ、兄貴！？お前は何を言っているんだ！」

するとおそ松兄さんは若干怒り気味の表情で叫んだ。

「お前こそ何言ってんだ！いいから行け！長男命令だ！」

「え、えぇ…」

「…行くよ、カラ松」

「へ？」

「今は兄さんに従おう、早くAを助け出すんだ」

僕は静かにそう言うと、一松を無視して廊下に続くであろう大きな扉に手をかけた。

カラ松もしばらく黙っていたが、「任せたぞ」とだけ言い僕のあとを追うようにして長い廊下を走ってきた。

***

「良かったの？２人をAのところに行かせて」

「良かったんだよ、これで。それにしても、お前もこれで良かったの？大事なAが取られるんだよ？」

「…Aは誰にも取られないから」