ヤンデレ一松続編 (ページ37)

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第87松ページ37

？？目線

あれから半年が過ぎた。

今日は休日なので、久々に部屋の整理をしようと押し入れを開けた。

中はゴチャゴチャとしていて、どれが何処にあるかも混乱してきた。

「…手始めに何処から片付けようかな」

「…何してるの？」

後ろを振り向くと、そこにはあの頃と少しだけ成長した姿があった。

半年なのに、随分と成長した気がする。

隣に来て、しゃがみ込むと顔を覗かせて来た。

「…そろそろこの辺も整理した方が良いかなって思ったんだよね」

「そうなんだ。…？それ、何だろう」

「あ、これって」

２人は視線を、１つの日記に向ける。

そこにあるのは薄紫色の日記だった。

もうすっかり埃が被っており、ページの紙も少し縮れ気味だった。

「…懐かしいね」

「…そうだね。そういや、あれ以来此処に閉まってたんだった」

「どうするの、日記。まだ使うの？」

「………いや、捨てるよ」

「そっか。じゃあそれとついでに他も片付けしようか」

「そうだね」

薄紫色の日記にある埃を払い、ごみ箱に放り込んだ。

もうこの日記は使うことは無いだろう。

日記の内容とかヤバい事を書いたような覚えがするし持っていても得はしない、うん。

「あ、そうだ。他の松達は？」

「さぁ、皆出掛けるんじゃ無いの？」

「じゃあ今は２人きりって事か」

「そうだね」

あれから色々な事があった。

勿論、今となってはどれも思い出なのだが。

これからもこんな幸せな時間が続ければいいな。

「そうだ今日２人で飲みに行かない？」

「いやいや、そこはちょっと高級なレストランとかでしょ」

「お金無くない？」

「まぁ、最近好景気なんだよね」

「じゃあ今日はレストランでも行こうか」

「そうしようか」

高級なレストランか…。

正直行った回数は覚えていないが恐らく指で数えられる程度だろう。

レストランって何かデッカい海老が乗ってるイメージなんだよね。

「…それと」

「…どうしたの？」

「いつもありがとう。これからも宜しくね」

「……！」

こんなに改めて言われたのはいつぶりだろうか。

仕方ない、照れくさいけど今日はこっちも言おう。

僕は小さく息を吸って言った。

「俺も…いつもありがとう。A」