第45松 ページ45
A目線
「ううん…」
目を覚ますと私は冷たい床に寝そべっていた。
石造りの壁に床、銀色の鉄格子。
まるで牢屋みたいな場所。
「なにここ…幻覚でも見てるのかな…」
立ち上がろうとするが、「ジャラ」という音と手首や足首に違和感を覚えた。
手首と足首には、手錠が付けられていた。
そして首に手を当ててみると、首輪も付いていた。
「うわっ！？なにこれ！！」
突然の出来事で驚きを隠せずに叫んでしまった。
アタフタしながら周りを見回すと、家具や電気などはないが、何故かすごく豪華な椅子だけがあった。
「なにあの豪華そうな椅子…」
フカフカしてそうな赤色のクッションに、煌びやかな装飾品、まるで女王様が座るかのような椅子だった。
これがいわゆる“玉座”というものか。
でもなんで牢屋みたいな部屋に豪華な椅子が…。
そんな事を思っていると、扉の方から音が聞こえた。
「おはよう、A」
そこに立っていたのは、銀色の鍵やナイフを持っていた一松の姿があった。
「いっ、一松！！？」
「その首輪、とっても似合ってるよ。それにネームプレートにはAの名前が書いてあるんだ。どう？気に入ってくれた？」
「気に入る以前の話なんだけど…ここどこ！？」
「ここは、僕とAしか知らない秘密の空間」
一松は大層嬉しそうな様子で淡い紫色の日記のページをパラパラと捲った。
その日記に何か書いてあるのかな。
「それにここは僕が創った空間。だから誰も助けに来ないし、一生ここから出られない」
「空間を…？そんな神様みたいな事出来るはずが…」
「出来ちゃうんだよね、それが。この日記のおかげなんだけどね」
一松は縛られている私の姿を全方位からみた後、「綺麗だなぁ」と感激のことばを零した。
まるで美術品を鑑賞するかのような目でジックリと見られ、私自身何だか複雑な気分になった。
「さてと、じゃあ僕はまた仕事にいってくるよ」
「へ？」
「早く二人目ヲ…ヒヒッ…」
「…え？ちょ、一松？どういう意味…」
私が言い終わる前に一松の不気味な笑みと共に扉が閉められた。
…さっきの“二人目”とは何だろう。
なんか…胸騒ぎがするような…。
これからどうなるの…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りぃ - 一松「orrrrrrrrrrrrr」自分「wwwwwwwww」 (2019年7月9日 23時) (
レス) id: a6e4e287d1 (このIDを非表示/違反報告)
天城 美依(プロフ) - 凛さん» 教えて下さり、ありがとうございます！頑張ります！ (2018年1月9日 16時) (レス) id: 6a5ae3df9e (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 26松の19行目(文字だけ数えて)の(名前)が(何名前)になってしまっていましたよ(´・ω・｀)これからも頑張ってください！ (2018年1月9日 15時) (レス) id: 7375f033bb (このIDを非表示/違反報告)
曖那 - トド松の発言www (2017年12月31日 17時) (レス) id: b59e7160ce (このIDを非表示/違反報告)
SIRURU(プロフ) - このお話大好きです。更新頑張ってください！続き待ってます！ (2017年11月12日 10時) (レス) id: 959e10f006 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天城 美依 | 作成日時：2017年8月1日 6時
