検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:147,310 hit

第六十二話 ページ19

「アン!」


「ぐっ…」



零の家に着いて、扉を開ければハロくんが私の胸に飛び込んで来た。

流石に可愛すぎないか?



「クーン?」



ハロくんは私を見るなり、首を傾げ匂いを嗅いでいた。



「ハロ、もうAに懐いたのか?」


「!!アン!!!」



零が喋りだした瞬間、ハロくんは私の腕から脱出しようと暴れ、零の胸に飛び写った。



「アン!アンアン!!」



ちぎれんばかりに尻尾を振り、零の顔を舐め回す。



「あはは、擽ったいよ」



零は笑いながらハロを撫でる。

私のもふもふタイムが一瞬にして無くなった。



「とりあえずずっと玄関にいるわけにはいかないからリビングに行こう」



零はそう言って興奮が覚めていないハロくんを床に起き、私の手を取りリビングまで連れてってくれた。

机の上に荷物を置かしてもらい、促されるままベッドに座った。



「飲み物取ってくるからちょっと待ってて」


「うん、ありがとう」



零が飲み物を取りにキッチンに行った時、私はハロくんに近づいた。



「は、ハロくん。初めまして」



声をかければ、ハロくんは耳をピクっと動かし顔をあげた。



「AAです。よろしくね」



そう言って手を差し出せば、ハロくんは私の手を香った。

そしてまた、首を傾げる。

のそのそと私の膝に乗ってきて、色んなところを香る。



「えっと…ハロくん…?」



やっぱりハロくんは首を傾げる。

自分の匂いを香ってみればわかるのか?

手首を鼻に持っていき香ってみる

…特に、何も匂わないな。



「ハロくん、どうしてそんなに匂いを嗅ぐんだ…?」


「クーン」


「……やはりわからない…」



ハロくんを撫で、うーんと唸っていれば

後ろからククッと零の笑い声が聞こえた。

慌てて後ろを振り返れば、カップを二つ持った零は壁に寄りかかっていた。



「こ、声をかけてくれ…」



恥ずかしさのあまりハロくんを抱き顔を埋める。



「ははっ、ごめんって。顔見せて?」



零はカップを机に起きながらそう言い、私の体を抱き締めた。



「…それは、ずるいだろ」



顔をあげ、零の目を見つめれば

お互い顔が近づいて

キスをした。



「…珈琲、飲もっか」


「…うん」



ハロくんは不思議そうにまた、首を傾げた。

第六十三話→←第六十一話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (227 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
642人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yu-kun(プロフ) - まだ見ていただいてる方へ。アカウント変えて続き書いてます。よろしくればプロフからどうぞ。 (2023年4月5日 4時) (レス) id: 7bcd0f2da7 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 「続き」じゃなくて「終わり」になってるから続くのか心配です....見たいです。作成さんも都合があると思うのでそこは首を長くして待っておきます!更新をが楽しみです (2022年6月24日 11時) (レス) @page46 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 続きがとても気になります!更新楽しみに待ってます! (2021年5月2日 18時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 感情がリアルで凄くドキドキします!続き楽しみです! (2020年6月17日 9時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
名無し - わー!続きが気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年3月18日 5時) (レス) id: 1e13ba2df3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年10月6日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。