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第六十話 ページ17

零に告白されて、キスをして、お互いの存在を確かめるように抱き合って…。

嗚呼、私は…。



「…零」


「ん、なんだ?」



ベンチに座っている私と零は、お互いに体を預け合い星を眺めている。

はぁ、と吐いた息は白い煙となり空に登る。



「私、私は…」


「うん」


「今、すごく幸せなんだ。…とても、怖いくらいに」



眉を下げ口角を上げ笑みを作る。



「…私、零と離れる日がくると思うと、この幸せが、壊れると思うと、悲しいくらいに怖い」



すっとベンチから立ち、前屈みに己の身体を抱く。



「今、私はここにいる。有り得ない、有り得ることの出来ないことなのに、ここに存在している事も怖い。零をこうして触っていられるのがいつ終わるのかわからない事も、」



零の頬に手を伸ばし、その頬を撫でる。



「…こうやって、零の綺麗な瞳を見て、口を聞けて……今、幸せなのに…っ」



怖いんだ

半ば叫びながら、そう言った。

辺りに響く私の声は、うるさい程私の中に入ってくる。



「…A」



零は私の元へ来て、私を抱きしめる。



「こうして、抱きしめてもらえるのも…いつか、終わっちゃうのかなぁっ…」



やっと見つけた私の本当の恋は、簡単に終わってしまうのか。



「大丈夫だよ、A」


「っ…何が、大丈夫なんだよっ…!!」



零を押しのけ、私はそう叫ぶ。



「っいつ終わるかわからないこの幸せが、簡単に壊れるかも知れないっ、私はそんなの嫌だ…嫌だっ!それなのに、何が大丈夫なんだよっ!!零が私がいた世界に来て、いなくなったようにっ、簡単に終わってしまうかも知れないのにっ、」


「っ僕は!!」



零の、大きな声。

その声を聞いて、反射的に涙を流す。



「僕はっ、簡単に君を帰らしたりしない!!大切な人をっ、愛している人を!!僕はもう、二度と離さなさい!!そんな運命、僕が変えてやる!!」


「…れ、い」



涙が落ちる。

きっと、この涙は止まらない。

止まることのない、私たちの、心から流れている悲しい涙。


お互い、顔は涙でボロボロで

でも、目は離さないで

私達は見つめ合う



「…零」



今度は、私から零にキスをする。



「…大好きだよ」


「…僕もだよ」



愛してる。

言葉が重なり、私たちはもう一度…いや

何度もキスをする。





…その時、私の胸元のネックレスが

綺麗な蒼が

輝いた気がした。

第六十一話→←第五十九話 零side



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yu-kun(プロフ) - まだ見ていただいてる方へ。アカウント変えて続き書いてます。よろしくればプロフからどうぞ。 (2023年4月5日 4時) (レス) id: 7bcd0f2da7 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 「続き」じゃなくて「終わり」になってるから続くのか心配です....見たいです。作成さんも都合があると思うのでそこは首を長くして待っておきます!更新をが楽しみです (2022年6月24日 11時) (レス) @page46 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 続きがとても気になります!更新楽しみに待ってます! (2021年5月2日 18時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 感情がリアルで凄くドキドキします!続き楽しみです! (2020年6月17日 9時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
名無し - わー!続きが気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年3月18日 5時) (レス) id: 1e13ba2df3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年10月6日 16時

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