第四十二話 ページ44
「…そろそろ、だな」
「…ああ」
遊園地に行った次の日、私達はリビングのソファに座って
ペアリングを付けた零の手と、私の手を重ね合わせている。
「A、いつから気付いてた？僕が元の世界に、今日。戻ること」
「…ん。この前一緒に、ショッピングに出かけた日に、零を抱き締めた弾みにな」
「あの時か…恥ずかしい姿を見せたな…」
零は恥ずかしそうに眉を寄せて笑う。
「…もう、零が来てから一ヶ月くらいかな」
「そうだね。初めは、Aに警戒心剥き出しだったな」
「まあ、私は零を知っていたけど零は当然私を知らないからな。知らない人が一方的に自分のこと知ってたら怖いよな」
「僕が小さかった時点で色々とあれだったが、元に戻れて良かったよ」
「ほんと。というか零はいつわかったんだ？その、首の数字」
零の首に指を指しながら言う。
「風呂だな」
「ああ、そうか」
風呂なら鏡で気づくか、そりゃあ。
時刻は二十三時五十八分。
零の首にある1の数字は
二十四時になった瞬間、0へと変わる。
「……あと、二分か」
「…A」
握っている私の手に力を込める零。
「こんな事、言っていいのかわからないけど」
嗚呼
「君に、出会えてよかったよ」
嫌だな
「今までありがとう」
聞きたくない
「僕は」
神様
何故、何故私たちに
こんな辛い思いをさせるのですか。
「君が好きだ」
先程まであった零の手の感触は、ふっと消えた。
隣を、見るのが怖い。
「ああ…」
嫌だ。
「嗚呼…」
こんなことって
「嗚呼っっ…！！」
零が着ていた服を抱きしめる。
微かに残る、零の温もりを感じ
私は涙を一つ、二つ、三つ…
ぽろぽろと流す。
「っ言い逃げなんて、ずるいよっ…」
この日、降谷零は元の世界へと戻った。
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ぷぅ(プロフ) - はい、大好きな作品で何度も繰り返し読ませていただいてますし、これからも繰り返し読ませていただきますね(#^.^#) (2020年9月19日 23時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» そう言って頂けて幸いです。忙しさを理由に小説を書けていない事、申し訳ないです…。私の小説のためにコメントしてくださってありがとうございます。まだ好きでいてくれてありがとうございます。ぷぅ様、これからもこの小説をよろしくお願い致します。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、違うかもしれないですけど大好きな作者さんが頑張って書いてくれた素敵な作品をもし盗作されたらと思うと悲しいので( ＞Д＜；) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - プロフの名前はくまたそです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» これから確認し、内容次第作者様の方にご連絡差し上げようかと思います。わざわざありがとうございました。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu-kun | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/
作成日時：2019年3月10日 14時
