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第二十九話 ページ31

私の目に映るのは、今は亡き父の服を来てご飯を頬張っている降谷だ。

それもそうだよな、約三日間フィギュアサイズの降谷が食べていた量はかなり少量すぎる。

元の体に戻ったら食べていないも同然の量だ。

腹も空くだろう。



「………美味しいか?」



そう聞けば、ご飯を頬張りながら頷く。

ハムスターみたいでなんだか可愛い。



「…ん、口元にお米が付いてる」



降谷の口元に手を持っていき、それを取り口に運ぶ。

その瞬間、降谷の動きが止まった。



「………すまない…」


「……ふっ、ふふっ。謝るな、その…可愛かった」


「可愛いとか言わないでくれ…」



顔を真っ赤にし、両手で顔を覆う降谷。



「それにしても、よかったな。元の姿に戻って」


「あぁ、でも何故突然…」


「…降谷、落ち着いてるな」


「古谷こそ」


「この会話、三日前にもしなかったか?まだ三日なのに既に懐かしい」



出会った頃も、こんな会話をした。

その時はまだお互い堅苦しかったな。

まだ三日前なのに、かなり打ち解けている気がする。



「何はともあれ、僕も戻ったし家事類は任せてくれ」


「そんな、いいよ。降谷はゆっくりしていてくれ」


「ここに住まわせてもらっているんだ。そんな訳にはいかないだろ?」


「…わかった。助かる」


「いや、こちらこそ。この三日間かなり助けてもらった。今度は、僕が助ける番だ」



僕が助ける。

今まで生きてきて、言われたことのなかった言葉を、降谷は私に言った。

…あぁ、嬉しい。



「…ありがとう、降谷…と。おかわり、いるか?」

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ぷぅ(プロフ) - はい、大好きな作品で何度も繰り返し読ませていただいてますし、これからも繰り返し読ませていただきますね(#^.^#) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» そう言って頂けて幸いです。忙しさを理由に小説を書けていない事、申し訳ないです…。私の小説のためにコメントしてくださってありがとうございます。まだ好きでいてくれてありがとうございます。ぷぅ様、これからもこの小説をよろしくお願い致します。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、違うかもしれないですけど大好きな作者さんが頑張って書いてくれた素敵な作品をもし盗作されたらと思うと悲しいので( >Д<;) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - プロフの名前はくまたそです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» これから確認し、内容次第作者様の方にご連絡差し上げようかと思います。わざわざありがとうございました。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年3月10日 14時

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