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第二十三話 ページ25

中学の制服に包まれている教え子達を見て、涙腺がかなり緩んだがなんとか耐えた。

時は進んで、卒業証書授与式。

生徒の名前を名簿順で呼んでいく。

さすが最高学年と言ったところだろうか

名前を呼んだら焦らずに落ち着き、でも元気よくはいと返事する彼等は本当に立派になった。

卒業式も終わり、泣いている子や笑っている子達が目に入る。

証書筒をスポスポして遊んでいる男子も目に入った。

あるあるだ、と思い顔がほころんだ。

泣かないでいられた、と安心していたら

生徒達からのサプライズ攻撃で泣いてしまった。

泣かないでいようと決めたのに

黒板に書かれた「古谷先生大好き」という文字と、生徒達からのメッセージカード。

泣くには十分なものだった。

そんな私を泣かせた生徒達は、「先生が泣いた!!!」「思惑通り!!!」「あの古谷先生が泣くとは…」と騒いでいる。

私だって泣くぞ。

こんなに素敵な事をしてくれたんだ。

皆に、ありったけの感謝の気持ちを込めて。



「皆、ありがとうっ!」



私ができる精一杯のお礼を。



「さて…私を泣かせた罪は重いぞ。今から皆に宿題を出す!」


「えぇ!? それはないよ先生!」


「卒業したばっかだぜ!?」


「問答無用。…皆、これから先の人生。辛いことがやっぱりあると思う。そんな時は、溜め込むな。休んでもいいんだ。溜め込んでばっかりじゃあ人生つまらないだろう?…そこで、先生から皆さんへ宿題を出します。皆さんが、胸を張って私達はもう立派な大人だよ、って言えるような大人になりなさい。先生からの宿題は以上! 卒業、おめでとう」



そう言った瞬間、教室中に元気よく「はい!」と言う返事が響き渡った。

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ぷぅ(プロフ) - はい、大好きな作品で何度も繰り返し読ませていただいてますし、これからも繰り返し読ませていただきますね(#^.^#) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» そう言って頂けて幸いです。忙しさを理由に小説を書けていない事、申し訳ないです…。私の小説のためにコメントしてくださってありがとうございます。まだ好きでいてくれてありがとうございます。ぷぅ様、これからもこの小説をよろしくお願い致します。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、違うかもしれないですけど大好きな作者さんが頑張って書いてくれた素敵な作品をもし盗作されたらと思うと悲しいので( >Д<;) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - プロフの名前はくまたそです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» これから確認し、内容次第作者様の方にご連絡差し上げようかと思います。わざわざありがとうございました。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年3月10日 14時

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