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第三十七話 ページ39

服も買い終え軽くそこらを散歩し、休憩がてらお茶をしようということで

近くのテラスカフェに入った。

席に案内され腰掛ける。



「透、何飲む?」


「Aさんのおすすめは何ですか?」


「おすすめか…このアメリカン…あっ」



"アメリカ"

その単語を聞いた透の目が鋭くなる。

笑顔のまま。



「わ、わざとじゃないんだっ…あ、この抹茶ラテとか…!?」


「…じゃあ、それでお願いします」



しくじった。

降谷零にアメリカ関係の事は禁句なのに

店員さんを呼び、抹茶ラテを二つ頼む。

店員さんが去った後、透になんて言われるのかと思いビクビクしていると



「Aさんは、その名探偵コナンというキャラクターの中で誰が一番好きなんですか?」



思ってもいなかった言葉が透の口から紡がれた。



「え…と、私は英語が得意じゃなくて…それで、英語の先生のジョディ先生が好きだ」



私がそう言うと透は「FBIが…」と震えた声で呟いた。

また地雷を踏んでしまった。



「で、でも透のことも大好きだ! 国のために頑張っていることを知っている! いくら傷を負っても、透は前を見て、愛する国を守ってる!」



わなわなと震えていた透の動きが止まる。



「と、透…?」



心配になり声をかければ、透は机に腕を置きその腕に顔を埋めた。



「…大声でそういう事言うな。バカ」



小声で言われた透の言葉に一瞬理解できなかった。

だが、その後すぐに理解し顔に熱が集まる。



「ちっ、違っ…! 好きというのは好きなキャラクターと言うことでっ…!」


「…僕が聞いたので知っています。ただ、面と向かって言われたらそりゃ照れますよ…」



そうだ、架空の人物だから好きだとテレビを前に好きなだけ言える。

でも、目の前にいるのはその架空のキャラクターである安室透、降谷零なんだ。

好きという言葉の重要さを改めて実感した。

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ぷぅ(プロフ) - はい、大好きな作品で何度も繰り返し読ませていただいてますし、これからも繰り返し読ませていただきますね(#^.^#) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» そう言って頂けて幸いです。忙しさを理由に小説を書けていない事、申し訳ないです…。私の小説のためにコメントしてくださってありがとうございます。まだ好きでいてくれてありがとうございます。ぷぅ様、これからもこの小説をよろしくお願い致します。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、違うかもしれないですけど大好きな作者さんが頑張って書いてくれた素敵な作品をもし盗作されたらと思うと悲しいので( >Д<;) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - プロフの名前はくまたそです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» これから確認し、内容次第作者様の方にご連絡差し上げようかと思います。わざわざありがとうございました。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年3月10日 14時

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